在留資格の取消

在留資格の取消しとは、日本に在留する外国人が、偽りの手段・方法で在留したり、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、外国人の方の在留資格を取り消す制度です。

在留資格の取消 (Cancellation of residence status)


「在留資格の取消し」制度とは?

分かりやすく徹底解説外国人の方が日本に滞在するためには「在留資格」が必要ですが、一度許可されたからといって永久に保証されるわけではありません。


法務大臣は、本邦に在留する外国人の方の在留資格を一定の場合に取り消すことができます。


ここでは、出入国在留管理庁の審査要領等に基づき、「在留資格の取消し」制度について分かりやすく解説します。


「在留資格の取消し」とは?

「在留資格の取消し」とは、日本に在留する外国人が、偽りの手段・方法で許可を受けたり、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、その在留資格を期間満了前に取り消す制度です。


この制度は、公正な出入国管理を実現するために設けられており、入管法(出入国管理及び難民認定法)第22条の4に基づき運用されています。

【在留資格の取消し】
第22条の4 法務大臣は、別表第1又は別表第2の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する外国人(第61条の2第1項に規定する難民の認定又は同条第2項に規定する補完的保護対象者の認定を受けている者を除く。)について、次の各号に掲げる事実のいずれかが判明したときは、法務省令で定める手続により、当該外国人が現に有する在留資格を取り消すことができる。


(第1号) 偽りその他不正の手段により、当該外国人が第5条第1項各号のいずれにも該当しないものとして、前章第1節又は第2節の規定による上陸許可の証印(第9条第4項の規定による記録を含む。次号において同じ。)又は許可を受けたこと。


(第2号) 前号に掲げるもののほか、偽りその他不正の手段により、上陸許可の証印等(前章第1節若しくは第2節の規定による上陸許可の証印若しくは許可(在留資格の決定を伴うものに限る。)又はこの節の規定による許可をいい、これらが2以上ある場合には直近のものをいうものとする。以下この項において同じ。)を受けたこと。


(第3号) 前2号に掲げるもののほか、不実の記載のある文書(不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により交付を受けた在留資格認定証明書及び不実の記載のある文書又は図画の提出又は提示により旅券に受けた査証を含む。)又は図画の提出又は提示により、上陸許可の証印等を受けたこと。


(第4号) 偽りその他不正の手段により、第50条第1項又は第61条の2の5第1項の規定による許可を受けたこと(当該許可の後、これらの規定による許可又は上陸許可の証印等を受けた場合を除く。)。


(第5号) 別表第1の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を行つておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く。)。


(第6号) 別表第1の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して3月(高度専門職の在留資格(別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄第2号に係るものに限る。)をもつて在留する者にあつては、6月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。


(第7号) 日本人の配偶者等の在留資格(日本人の配偶者の身分を有する者(兼ねて日本人の特別養子(民法(明治29年法律第89号)第817条の2の規定による特別養子をいう。以下同じ。)又は日本人の子として出生した者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者又は永住者の配偶者等の在留資格(永住者等の配偶者の身分を有する者(兼ねて永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者の身分を有する者を除く。)に係るものに限る。)をもつて在留する者が、その配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。


(第8号) 前章第1節若しくは第2節の規定による上陸許可の証印若しくは許可又はこの節、第50条第1項若しくは第61条の2の5第1項の規定による許可を受けて、新たに中長期在留者となつた者が、当該上陸許可の証印又は許可を受けた日から90日以内に、出入国在留管理庁長官に、住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)。


(第9号) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に届け出た住居地から退去した場合において、当該退去の日から90日以内に、出入国在留管理庁長官に、新住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)。


(第10号) 中長期在留者が、出入国在留管理庁長官に、虚偽の住居地を届け出たこと。

【出入国管理及び難民認定法第22条の2】


どのような場合に在留資格が取り消されるのか?(取消事由10項目)

入管法第22条の4第1項には、(第1号)~(第10号)までの10個の取消事由が規定されています。
大きく分けると以下の4つのパターンに分類されます。


① 虚偽・不正の手段による許可(第1号〜第4号)

  • 第1号:偽りその他不正の手段により、過去の退去強制歴などの上陸拒否事由を隠して上陸許可を受けた場合。
  • 第2号:偽りその他不正の手段により、学歴や職歴などを偽って在留資格の基準に適合していると装い、上陸許可や在留資格変更許可などを受けた場合。
  • 第3号:本人に偽る意図がなくても、不実の記載がある文書(偽造文書など)を提出して許可を受けた場合。
  • 第4号:偽りその他不正の手段により、在留特別許可を受けた場合。


② 本来の活動を行っていない場合(第5号〜第6号)

  • 第5号:現在の在留資格に基づく本来の活動を継続して3ヶ月以上行っていない場合(病気や会社都合の解雇による求職活動など、正当な理由がある場合を除く)。
  • 第6号:本来の活動を継続して3ヶ月以上行っておらず、さらに他の活動(資格外活動など)を不法に行っている、または行おうとしている場合。


③ 配偶者としての活動を行っていない場合(第7号)

  • 第7号:「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ者が、配偶者としての活動(同居や生計の同一など)を継続して6ヶ月以上行っていない場合(DV被害や離婚調停中など、正当な理由がある場合を除く)。

※この場合、実態に応じて「定住者」など他の在留資格への変更申請の機会が配慮されることがあります。


④ 住居地の届出義務違反(第8号〜第10号)

  • 第8号:新規に入国して中長期在留者となった者が、90日以内に住居地の届出を行わない場合。
  • 第9号:中長期在留者が引っ越しをして住居地を変更したにもかかわらず、90日以内に新しい住居地の届出を行わない場合。
  • 第10号:中長期在留者が、虚偽の住居地を届け出た場合。

在留資格が取り消された後の手続き・流れ

在留資格の取消しは、対象となる外国人の日本に滞在する法的根拠を奪う重大な処分です。


そのため、いきなり取り消されるのではなく、以下の手続きを踏みます。


① 意見聴取(弁明の機会)

処分を決定する前に、相手方に主張や立証の機会を与えるため、「意見聴取」の手続きが行われます。対象者は指定された日時に出頭し、有利な事実を主張したり、証拠を提出したりすることができます。在留状況や家族状況等の事情が勘案され、例外的に取消しが免除されるケースもあります。


② 原則は「退去強制(強制送還)」

在留資格が取り消された場合、原則として退去強制手続きとなります。


特に、悪質な虚偽申告(第1号・第2号)の場合や、活動を怠って逃亡等の恐れがある場合(第5号の一部)は、直ちに退去強制事由に該当し、日本からの強制送還の対象となります。


③ 「出国猶予期間」が付与される場合のメリット

上記以外の事由で取り消される場合には、直ちに強制送還されるのではなく、最大30日間の「出国のために必要な期間(出国猶予期間)」が指定されます。


【大きなメリット】
この出国猶予期間内に自主的に日本を出国した場合は、「退去強制処分」を受けたことにはなりません。


退去強制処分を受けると、その後一定期間は日本に再入国できなくなりますが、自主的に出国した場合はこの入国拒否期間の適用を回避できるというメリットがあります。


行政書士からのアドバイス

「在留資格の取消し」は外国人の方の生活基盤を奪う非常に重い処分です。
うっかり引越しの届出を忘れてしまったり、転職活動が長引いてしまったりした場合でも、取消しの対象となるリスクがあります。


もし、入国管理局から「意見聴取」の通知が届いた場合や、在留活動について不安がある場合は、お早めに当事務所の行政書士までご相談ください。




当事務所では、これらの複雑な基準をお客様にわかりやすくご説明し、現在の状況を正確に診断した上で、安心できるビザ申請(在留手続き)をサポートしております。
ご不安な点があれば、ぜひ一度ご相談ください。




03-5937-0958

受付時間10:00~19:00(定休日 土日祝祭日)

当事務所は、あなたのビザ申請を全力でサポートいたします。