
「永住者」ビザは、日本における在留活動(仕事など)に制限がなく、在留期間も無期限となる、日本に在留する外国人にとっての「最終の審査」とも言える最高位の在留資格です。
日本の在留資格の中でも、最も特別で安定した地位とされるのが「永住者」です。
「永住者」ビザとは、日本において在留活動に制限はなく、また在留期間にも制限がない、法務大臣が永住を認める者に対して与える許可であり、日本に在留する外国人の最終の審査になる在留資格です。
しかし、その特別な地位ゆえに、許可を得るための審査は非常に慎重かつ厳格に行われます。
「永住許可」は、一般のビザの変更許可手続とは独立した規定が特に設けられています。
通常の在留資格変更とは異なる独立した厳格な基準が設けられており、審査は非常に慎重に行われます。(※「特別永住者(入管特例法に基づく)」とは制度が異なります。)
「永住者」ビザをもって在留する外国人の人数
日本における生活基盤を固め、永住許可を取得する外国人は年々増加傾向にあります。
| 在留資格 | 2022年12月末 | 2023年12月末 | 2024年12月末 | 2025年12月末 |
|---|---|---|---|---|
| 永住者 | 863,936人 | 891,569人 | 918,116人 | 947,125人 |
「永住者」の在留資格は、日本で生活する外国人にとって最も強力で安定した法的地位です。
他の在留資格(就労ビザや家族滞在ビザなど)と異なり、「在留期間の制限」も「就労活動(仕事の種類)の制限」もありません。 日本人と同じように、どのような職業にも就くことができ、ビザの更新に悩まされることなく、生涯にわたって日本に生活の拠点を置いて暮らすことが想定されています。
このように「一生涯の在留」を前提とする特別な地位を与える手続きであるため、入管(法務大臣)は「本当にこの人に永住を認めて良いか」を特に慎重に審査します。
「永住者」ビザを取得すると、他の在留資格にはない数多くの特権が得られ、日本での生活の安定性が飛躍的に向上します。
1. 在留期間が無期限になる(更新手続きが不要)
2. 就労制限がなくなる
3. 社会的信用が高まり、住宅ローンが組みやすくなる
4. ライフスタイルの変化に影響されない
5. 母国の国籍を維持できる
6. 退去強制手続きにおける配慮
非常にメリットの大きい「永住者」ビザですが、現在の在留状況によってはデメリットが生じる場合や、注意すべき点もあります。
1. 「高度専門職」ビザの優遇措置がなくなる
現在「高度専門職」ビザをお持ちの方が永住者へ変更した場合、以下の高度人材向けの特例が利用できなくなります。
2. 選挙権(参政権)はない
あくまで外国籍であるため、日本の国政選挙や地方選挙での投票権・被選挙権はありません。参政権を希望する場合は、「永住」ではなく「帰化(日本国籍の取得)」の手続きが必要となります。
3. 「在留資格の取消し」や「退去強制」の対象にはなる
永住許可を得たからといって、無条件で一生滞在が保証されるわけではありません。重大な犯罪を犯したり、税金や社会保険料を故意に滞納するなどの悪質な法令違反が発覚した場合は、「在留資格の取消し」や「退去強制」の対象となるため、引き続きルールを守った生活が求められます。
「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザが「日本で特定の活動を行うこと」を在留資格該当性としているのに対し、「永住者」は「身分又は地位」に基づく在留資格です。
在留活動や在留期間の制限がなく、生涯を日本で過ごすことが想定される「最も安定した法的地位」であるため、その該当性(=法務大臣から永住を認められるか)は特に慎重に審査されます。
入管法別表第二の「永住者」の項の下欄には、日本において有する身分又は地位について、以下のとおり規定しています。
法務大臣が永住を認める者
【入管法別表第二の「永住者」の項の下欄】
永住許可の審査は、単に「書類が揃っているか」「年数などの条件を満たしているか」だけで自動的に決まるわけではありません。 最終的な許可・不許可の判断は、法務大臣が持つ非常に広い「裁量権(独自の判断権限)」に基づき、総合的に決定されます。
具体的には、以下のような「申請者本人の事情」だけでなく、「日本社会を取り巻く様々な事情」までが多角的に検討されます。
【申請者に関する事情】
【日本社会・環境に関する事情】
つまり、永住審査の本質は「この外国人に永住を認めることが、日本という国にとって積極的にプラスの利益をもたらすかどうか(日本国の利益になるか)」を見極めることにあるのです。
出入国在留管理庁が公表している条件を一つでも満たせば絶対に許可される、あるいは一つでも欠ければ絶対に不許可になるという単純なものではありません。永住審査はあくまで「個別の事案ごとに、様々な事情を総合的に考慮して行われるもの」です。
下記にある「永住許可」の要件は、「入管がどのような考え方で、どのような要素(収入・税金・素行など)を審査で重視するのか」という基本的な指針(考え方)を明確にしたものです。
これから永住申請をお考えの方は、まずはこの「永住許可」の要件の趣旨を正しく理解し、ご自身が「日本の国益に合致する、安定した住民であること」を論理的に証明していくことが成功への第一歩となります。

入管法第22条第2項は、永住許可の要件を次のとおり規定しています。
法務大臣は、その者が次の各号のいずれにも適合し、かつ、この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等その者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。ただし、その者が日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合にあつては次の各号のいずれにも適合することを要せず、国際連合難民高等弁務官事務所その他の国際機関が保護の必要性を認めた者で法務省令で定める要件に該当するものである場合にあつては第二号に適合することを要しない。
一 素行が善良であること。
二 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。【入管法第22条第2項】
永住許可を受けるためには、原則として以下の3つの要件をすべて満たさなければなりません。
日本人、永住者、特別永住者の「配偶者または実子」として申請する場合は、①素行善良要件と②独立生計要件の適合は免除され、主に③国益要件(家族単位での生活の安定など)から審査されます。難民認定等を受けている方は、②独立生計要件が免除されます。
日本の法律をしっかりと守り、地域社会の一員として周囲から非難されることのない、きちんとした生活を送っていることを指します。 たとえば、日常生活の中で「違法行為」や「近隣への迷惑行為」を繰り返し行っていると判断された場合は、この条件を満たしていない(審査で不許可になる)とみなされます。
将来にわたって国や自治体の負担(生活保護など)にならず、自立して安定した生活を送れるかどうかが「同一生計の世帯単位」で審査されます。
原則として、永住申請をする時点からさかのぼって継続的に、「家族の人数に応じた日本人の平均世帯年収」を上回っている必要があります。
年収の計算方法や家族の人数の数え方については、以下のルールが適用されます。
(※)補足:ここでの「就労目的のビザ」には、家族の帯同が認められない等の制限がある「技能実習」「育成就労」「特定技能1号」「企業内転勤」、および一部の「特定活動」は含まれません。
永住申請においては、将来もらえる年金の見込み額が十分にあるかどうかも審査の対象になります。
具体的には、「現在の年齢」や「これまでの働き方(会社員、自営業など)」、「過去の年金加入期間」や「平均年収」といったデータをもとに、将来受給できる年金の見込額(※)を推計します。 この見込額が、「日本人の平均世帯年収を稼ぐ人が、30年間厚生年金に加入し続けた場合にもらえる年金水準(受給年金水準)」に達している必要があります。
もし将来もらえる年金の見込額がこの基準(受給年金水準)に届かない場合でも、それをカバーできるだけの十分な金融資産(預貯金など)を持っていれば、基準を満たしているとみなされます。 この「カバーするための金融資産」は、老後の生活資金を補うためのものです。そのため、申請者が若い(年金をもらう年齢まで遠い)ほど、今後お金を貯める期間が長くあるとみなされ、求められる金融資産の基準額は低くなります。
年金の見込額や、不足分をカバーする金融資産の額は、原則として「世帯単位(夫婦など)」で合算して計算します。 配偶者がいる場合、申請者本人と配偶者の年金見込額を足した金額が、基準を満たしているかを判断します。もし配偶者が専業主婦(夫)などであり、国民年金の第3号被保険者だった期間がある場合は、その期間に応じて求められる「受給年金水準」や「カバーすべき金融資産額」の基準も上乗せして計算されます。
単に「マイナスにならない」だけでなく、日本社会へ積極的に利益をもたらす存在であるかが、多角的な視点から厳しく審査されます。
住所変更の届出、在留カードの常時携帯、決められたビザの範囲外の活動(不法就労)をしていないこと等が求められます。過去の違反も厳しくマイナス評価されます。具体的には次のような遵守です。
未納がないことはもちろん、「過去に支払い期限に遅れて滞納処分を受けた履歴」がある場合も、原則としてマイナス評価となります。
具体的には次のような支払いです。
過去に懲役、禁錮、罰金刑などを受けていないことが必要です。
入管法で定められた「日本への入国拒否事由」に該当する外国人に永住を認めることは適切ではないため、これに該当する履歴がある場合は審査でマイナス評価(原則として不許可)となります。
また、永住申請を行う時点で、現在持っている在留資格(ビザ)の上陸許可基準を引き続き満たしていない場合も、同様にマイナス評価となります。
引き続き10年以上日本に住んでおり、そのうち5年以上は「就労ビザ」または「居住系ビザ」であることが必要です。
また、現在持っているビザが「最長の在留期間(実務上は当面3年以上)」であることも条件です。
※過去10年間に「1回の出国で半年以上」または「合計で2年6ヶ月以上」日本を離れていた期間がある場合は、生活の拠点が日本にないとみなされ、原則マイナス評価となります。
申請者の経済状況等も重要な考慮要素です。現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的である場合にも、一律に永住許可をすることは、国益に合致するとは言い難いことから、申請者の属する世帯が、現に公共の負担となっている場合や、そのおそれが現実的である状況にあり、そのような場合・状況に至ったことに特段の事情が認められない場合には、消極評価をすることがあります。
地域社会で問題なく暮らすため、原則として「B1相当レベル以上」の日本語能力が求められます(※高度人材やその家族、日本の小中学校に6年以上通った方などは免除の対象となります)。
入管庁の「生活・就労ガイドブック」などを通じ、日本のルールを正しく理解する意欲があるかどうかが確認されます。
義務教育の年齢(小・中学生)にあたるお子様がいる場合、適切に学校へ通わせていることが必須の考慮要素となります。
これまでに挙げた項目以外でも、その人の永住が「日本の利益になる」と判断できる特別な事情があれば審査において考慮されます。永住許可は法務大臣の広い裁量(判断)によって決まるため、多様な観点から審査が行われます。
具体的には、令和8年(2026年)1月に政府が公表した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」に基づく施策への貢献度も評価の対象となります。日本人と外国人がルールを守り、互いに尊重し合う共生社会の実現に向けた以下のような国の取り組みに寄与・貢献している場合は、永住審査において有利な要素として考慮されます。
法務大臣の広範な裁量権
「総合的対応策への貢献」とは
複雑化する永住許可の要件ですが、ご自身の状況が最新のガイドラインに適合しているかどうか、まずは専門家による正確な現状分析をお勧めいたします。当事務所では、お客様の経歴や世帯状況を詳細にヒアリングし、最も確実な申請スケジュールと立証方法をご提案いたします。

「原則10年在留」が短縮される特例と「特定活動」ビザのカウント方法について解説します。
永住許可を受けるためには、原則として「引き続き10年以上日本に住んでいること(そのうち5年以上は就労ビザか居住系ビザであること)」が必要です。しかし、特定の条件を満たす場合には、この10年という期間が大幅に短縮される「特例」が設けられています。
ここでは、最新のガイドライン(令和8年10月1日改訂)に基づく在留期間の特例要件と、「特定活動」ビザの年数カウントに関する注意点、および新ルールの適用時期についてわかりやすく解説します。
以下の条件に当てはまる方は、10年待たずに永住申請が可能です。
※注意点(在留特別許可等を受けた場合) 過去にオーバーステイなどで退去強制事由に該当し、「在留特別許可」や「上陸特別許可」を受けた方については、これらの特例は適用されません。許可を受けた後、原則通り「引き続き10年以上」日本に在留する必要があります。
外交、経済、文化、スポーツなどの分野で日本に大きく貢献したと認められる方は、在留期間が「5年」に短縮されるだけでなく、国益に適合するかどうかの審査においてプラスの評価(積極的考慮)を受けます。
【貢献が認められる方の主な例】
原則の10年要件では「引き続き10年以上(うち就労・居住ビザで5年以上)」というルールがありますが、「特定活動」ビザはその活動内容によって、期間として「カウントされるもの」と「されないもの」に分かれます。
一時的な滞在とみなされるため、10年のベース期間に含まれません。
就労が認められていても、専門的な分野でない場合や期間更新に制限がある場合は就労ビザの枠に含められません。
今回改訂されたガイドライン(特に「在留期間1年→3年」等の特例要件の伸長など)は、原則として令和9年(2027年)4月1日以降の申請から適用されます。
【例外として前倒し適用される項目】
ただし、審査が厳格化された以下の2項目については、改訂から6ヶ月前(令和8年4月1日)以降に申請し、改訂日時点で「審査中」の案件に対しても適用されます。
また、本ガイドラインの改訂に伴い、過去の「我が国への貢献」に関する別ガイドラインは廃止され、本ガイドラインに統合されました。
永住許可の要件は複雑化しており、ご自身の在留資格や期間が特例に当てはまるかどうかを正確に判断することが重要です。要件を満たしているかご不安な方は、当事務所の専門家による事前診断をぜひご利用ください。
従前の在留資格の満了日まで申請が可能です。
しかし、「永住許可」の審査期間はかなり長期間(1~2年)になりますので、現在お持ちの在留資格の更新許可は忘れずにしてください。
というのは、「永住許可」は在留期間の特例の適用がありません。
在留資格の変更による「永住者」ビザの許可申請については、他のビザ変更(在留資格変更許可申請)とは異なり、在留期間の特例の適用がありません。
在留期間が経過する前に、現に有するビザ(在留期間更新)の許可申請をすべきです。
「永住許可」申請と並行して現在お持ちの在留資格の在留期間更新許可申請をする必要があります。
2019年7月から、審査が厳しくなりました。さらに2026年10月から審査が厳格化されました。
納税を期日通り納めているか、社会保険に加入しているか、社会保険を期日通り納めているかといった項目の審査が厳格になりました。
以前は、過去にさかのぼって納付すれば審査が通りましたが、現在は、そうもいかなくなりました。
もし、公的義務不履行により不許可処分になった場合、未納分について追納したしたとしても、許可されることはありません。
この場合、再申請の時点から新たに確認対象期間として評価されます。
「家族滞在」の在留資格をもって在留する子の扶養者についてのみ「永住者」ビザへ変更する場合は、子の「家族滞在」ビザの在留資格該当性がなくなります。
そのため基本的に、「連れ子定住(6号 )」ビザ等への在留資格変更許可を受ける必要があります。
もし扶養者の子が成人に達している場合は、該当する在留資格が存在しない場合があることから、扶養者についてのみ「永住者」ビザの許可の申請する場合には、当該子の在留資格の変更について検討する必要があります。
「永住者」ビザを申請するために必要な書類は永住者ビザの必要書類に記載しています。
当事務所では、これらの複雑な基準をお客様にわかりやすくご説明し、現在の状況を正確に診断した上で、安心できるビザ申請(在留手続き)をサポートしております。
ご不安な点があれば、ぜひ一度ご相談ください。
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当事務所は、あなたのビザ申請を全力でサポートいたします。