家族滞在ビザ

「家族滞在」ビザとは、一定の在留資格(主に就労ビザ)をもって日本に在留する外国人の扶養家族(配偶者または子)を受け入れるための在留資格で、「家族滞在」の在留資格がある外国人は、その扶養者である配偶者または親が在留する間に限って在留できる在留資格です。

在留資格「家族滞在」 (Dependent Visa)



「家族滞在」ビザとは

「家族滞在」ビザは、就労ビザや留学ビザなど(※一定の在留資格)をもって日本に滞在する外国人が、母国から「配偶者(夫・妻)」や「子ども」を扶養家族として呼び寄せ、日本で一緒に生活するために設けられた在留資格です。


外国人材の日本への定着に伴い、家族とともに日本で生活基盤を築く方が年々増加しています。
「家族滞在」ビザをもって在留する外国人の人数

VISA 2022年12月末 2023年12月末 2024年12月末 2025年12月末
家族滞在 227,857人 266,020人 305,598人 352,875人


最大の注意点:扶養者(メインのビザ取得者)との強い結びつき

「家族滞在」ビザは、あくまで「扶養者(メインの収入源となる配偶者や親)から経済的に扶養を受けて生活すること」を前提としたビザです。そのため、以下の厳格なルールが存在します。


滞在できるのは「扶養者が日本にいる間」だけ
家族滞在ビザの配偶者や子どもが日本に在留できるのは、扶養者本人が適法に日本に在留している期間に限られます。


扶養者が帰国・出国した場合はどうなるか
万が一、扶養者が仕事を辞めて本国へ完全帰国してしまった場合などは、その扶養から外れることとなるため、「家族滞在」ビザで滞在している配偶者や子どもも、原則として日本での滞在を継続することはできず、一緒に帰国しなければなりません。


在留期間について

  • 「家族滞在」ビザで許可される在留期間は、法務大臣が個別に指定する期間(最長で5年を超えない範囲)となります。

※実務上は、家族が一緒に在留期限を迎えられるよう、「扶養者(メインのビザ取得者)の在留期間と合わせる形」で付与されるのが一般的です。




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「技能実習」や「特定技能」といった在留資格の違いも分かりやすく解説されており、はじめて外国人雇用を検討する企業の強い味方になります。



扶養される者(被扶養者)とは

扶養される者(被扶養者)とは、在留外国人が扶養する配偶者・子になります。


「家族滞在」ビザは、配偶者と子の限定なので、両親や兄弟姉妹は対象外です。


「家族滞在」ビザの対象となるの扶養者(本体者)のビザ(在留資格)は、次のビザになります。

就労 ビザ(在留資格) 具体的な活動例
〇 教授ビザ 大学教授
〇 芸術ビザ 作曲家、画家、著述家
〇 宗教ビザ 宣教師
〇 報道ビザ 記者、カメラマン
〇 高度専門職ビザ ポイント計算による高度人材
〇 経営・管理ビザ 企業経営者、支店長、工場長
〇 法律・会計業務ビザ 弁護士、公認会計士、税理士、行政書士
〇 医療ビザ 医師、歯科医師、看護師
〇 研究ビザ 研究者
〇 教育ビザ 小中高学校の教師
〇 技術・人文知識・国際業務ビザ エンジニア、プログラマー、マーケティング、私企業の語学学校教師、翻訳通訳者
〇 企業内転勤ビザ 外国の事業所からの転勤者
〇 介護ビザ 介護福祉士
〇 興行ビザ 俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手
〇 技能ビザ 外国料理のコック、パイロット、スポーツ指導者、ソムリエ
〇 特定技能2号 特定産業分野(建設業、造船、舶用工業) 熟練した技能
× 文化活動ビザ 日本文化の研究者
× 留学

大学、専門学校の学生

「家族滞在」ビザの在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。


「家族滞在」ビザは、資格外活動許可を得ない限り、働くことができない非就労ビザになります。

家族滞在の在留資格該当性

「家族滞在」ビザを取得するための第一歩は、入管法が定める「在留資格該当性」を満たすことです。これは、「日本で行おうとする活動が、法律上の『家族滞在』ビザの対象に当てはまっているか」という条件のことです。


入管法では、このビザで認められる活動を次のように規定しています。

1の表、2の表又は3の表の上欄の在留資格(外交、公用、特定技能(2の表の特定技能の項の下欄第1号に係るものに限る。)技能実習及び短期滞在を除く。)をもって在留する者又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動

【入管法別表第1の4の「家族滞在」の項の下欄】

わかりやすく言うと、「日本で適法に在留する外国人(扶養者)から、経済的な扶養を受けて生活する夫・妻・子どもが行う日常的な活動」が対象となります。


対象となる「扶養者(メインのビザ取得者)」のビザ

原則として、以下のビザで在留する外国人の家族が対象となります。

※「特定技能1号」「技能実習」「短期滞在」のビザを持つ方は、原則として家族を呼び寄せることはできません。
※「外交」「公用」ビザの方の家族は「家族滞在」ではなく、本体と同じ「外交」「公用」ビザになります。


【注意】「留学生」が家族を呼び寄せる場合
「留学」ビザを持つ方が家族を呼び寄せる場合、大学生、大学院生、専門学校生に限られます。日本語学校の留学生は、原則として「家族滞在」ビザで家族を呼び寄せることは許可されません。


審査の最重要ポイント:「扶養の意思」と「資金力(経費支弁能力)」

「家族滞在」は、扶養者からの経済的支援に依存して生活するためのビザです。そのため、審査では以下の2点が厳しく確認されます。

  1. 扶養の意思があること
  2. 家族を十分に養っていけるだけの資金力(経費支弁能力)があること


これらを客観的に証明するため、申請時には扶養者の職業や収入を証明する以下の書類を提出します。

  • 在職証明書(または営業許可書)
  • 住民税の課税・納税証明書(直近1年分)
  • 給与明細、預貯金残高証明書
  • (留学生の場合)奨学金の給付証明書など


法律上の「配偶者」と「子」の定義について

「家族滞在」ビザにおける家族の範囲は、法律上厳密に定義されています。


「配偶者」の定義と注意点

  • 有効な婚姻関係:現在、法律上有効に婚姻が成立している者に限られます。離別(離婚)した者、死別した者、内縁関係の者は含まれません。
  • 同性婚について:外国で有効に成立した同性婚の配偶者は、現在の日本の法律上「配偶者」には含まれません。(※ただし、特別な事情として「告示外特定活動」ビザが許可されるケースがあります。)
  • 婚姻の実態と「同居」:法律上結婚していても、同居して協力・扶助し合うという「夫婦としての実態」がない場合は認められません。そのため、日本での「同居」が原則となります。


「子」の定義と年齢・養子について
「家族滞在」ビザにおける「子」には、以下が含まれます。

  • 嫡出子(結婚している夫婦の間に生まれた子ども)
  • 認知された非嫡出子
  • 養子(普通養子・特別養子ともに可。6歳以上の養子も対象となります。)
  • 成年に達した子ども(※ただし、親からの扶養を必要としている状態に限られます。経済的に独立している大人は対象外です。)


「日常的な活動」と就労(アルバイト)について

「家族滞在」ビザで認められる「日常的な活動」には、家事や教育機関(日本の学校)に通って学ぶ活動などは含まれますが、収入を得る事業を運営したり、報酬を受ける労働(就労)をしたりすることは含まれません。


もし、パートやアルバイトを希望する場合は、事前に入国管理局から「資格外活動許可(週28時間以内)」を取得する必要があります。




参考:【在留資格一覧付】在留資格とビザの違いとは?|初めての外国人採用の知識|外国人採用の窓口


家族滞在の要件(上陸許可基準適合性)

「家族滞在」ビザで家族を呼び寄せるためには、「在留資格該当性」があると考えられる外国人が、入管法で定められた「上陸許可基準」を満たす必要があります。


上陸許可基準とは、外国人が日本に入国・在留するためにクリアしなければならない具体的な条件のことです。「家族滞在」ビザにおいては、「誰(どのビザの外国人)の扶養を受けるのか」と、「十分な扶養能力(生活費)があるか」が最大の審査ポイントとなります。


上陸許可基準適合性は、入管法の基準省令には以下のように定義されています。

申請人が法別表第1の1の表若しくは2の表の上欄の在留資格、文化活動の在留資格又は留学の在留資格(この表の法別表第1の4の表の留学の項の下欄に掲げる活動の項第1号イ又は口に該当するものに限る。)をもって在留する者の扶養を受けて在留すること。

【上陸基準省令の「家族滞在」の項の下欄】


家族を呼ぶことができる「メインのビザ(扶養者)」の種類

「家族滞在」ビザは、すべての外国人が利用できるわけではありません。日本で生活の基盤となる外国人(扶養者)が、以下のいずれかの在留資格を持っていることが条件となります。


【対象となる主なビザ】


【要注意! 家族滞在の対象外となるビザ】

以下のビザで在留する外国人は、「家族滞在」ビザで家族を呼び寄せることは原則としてできません。

(※「外交」「公用」ビザの方の家族は、家族滞在ビザではなく、本体と同じ「外交」「公用」ビザになります。)


家族との身分関係と「同居」のルール

呼び寄せる家族(申請人)については、以下の条件を満たしている必要があります。


「配偶者(夫・妻)」または「子ども」であること
親や兄弟姉妹を「家族滞在」ビザで呼び寄せることはできません。


現に扶養(監護養育)を受けていること
配偶者や子どもが経済的に独立して自活している場合は対象外となります。あくまで「扶養者の収入によって生活している状態」であることが必要です。


原則として「同居」すること
夫婦の実態や扶養の実態を証明するため、日本国内では同居して生活を共にすることが求められます。


審査で厳格に問われる「扶養能力(資金力)」とは

家族を日本に呼び寄せる以上、「日本で家族を養っていけるだけの十分な収入や資産(経費支弁能力)があるか」が非常に厳しく審査されます。


扶養能力は、主に扶養者の「職業」や「収入を証明する文書(課税証明書や給与明細など)」から判断されますが、収入面以外にも以下の要素が総合的に考慮されます。

  1. 預貯金や不動産などの資産状況
  2. アルバイト等で貯めた預貯金(※資格外活動の制限時間内で適法に得た収入に限ります)
  3. 第三者(親族など)からの援助の有無と確実性
  4. 母国にいる扶養家族の人数(※本国に仕送りをしている家族が多い場合、日本で同居する家族を養う余裕があるかどうかがより慎重に審査されます)


【注意】留学生や文化活動ビザの扶養者の場合
「留学」や「文化活動」のビザは、就労を目的としたビザではないため、原則として働くこと(給与収入を得ること)ができません。そのため、アルバイト(資格外活動)の範囲内の収入や、本国からの仕送り、預貯金、奨学金などをもとに、「確実に家族を扶養できる資金力があるか」が就労ビザ以上に極めて慎重に審査されます。






「家族滞在」ビザを申請するために必要な書類は家族滞在ビザの必要書類に記載しています。




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