経営・管理ビザ

「経営・管理」ビザ、日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動になります。外国人が会社事業の経営や管理業務に従事することができるようにするために設けられた在留資格です。

在留資格「経営・管理」 (Business Manager Visa)

このページの目次


「経営・管理」ビザとは

「経営・管理」ビザは、外国人が日本で会社の経営を行ったり、管理業務に従事したりするための在留資格です。


日本で起業して社長になる方や、既存の企業の取締役や支店長として活動する方が対象となります。


「経営・管理」ビザをもって在留する外国人の人数
近年、日本で事業を展開する外国人は年々増加しています。

VISA 2022年12月末 2023年12月末 2024年12月末 2025年12月末
経営・管理 31,808人 37,510人 41,615人 46,781人


かつての「投資・経営」ビザからの変更点

以前は「投資・経営」という名称でしたが、平成26年の法改正により現在の「経営・管理」に変更されました。


かつては「外国人の投資」が前提とされていましたが、法改正により、外国人投資家が出資している会社だけでなく、日本人や日本法人のみが出資している会社であっても、外国人が経営・管理を行えば対象になるよう緩和されました。


対象となる「経営者」と「管理者」

「経営・管理」ビザは、大きく分けて2つの役割を担う方が対象となります。


1. 経営者(日本の事業を経営する方)

  • 代表取締役
  • 取締役、監査役 など

2. 管理者(日本の事業の管理に従事する方)

  • 工場長
  • 支店長
  • 比較的規模の大きな会社の部長など

在留期間について
許可される在留期間は、事業の規模や実績等に応じて以下のいずれかになります。

  • 5年、3年、1年、6ヶ月、4ヶ月、3ヶ月


【重要】令和7年(2025年)の大幅な法改正による厳格化

日本で事業を行うためのビザである「経営・管理」ビザですが、これまでは、以下のような「本来の目的とは異なる手段(抜け穴)」として不適切に利用されるケースが問題視されていました。

  • 日本へ手軽に移住・定住するための手段
  • 日本の不動産などを所有するためのダミー会社
  • 子どもを日本の学校に通わせるため、または高額な医療制度を利用するための手段

こうした不適切な取得を防止するため、令和7年10月16日より、上陸許可基準が大幅に改正・厳格化されました。


主な改正内容(厳格化されたポイント)

起業(経営者)に関する要件が、以下のように大きく引き上げられています。
1.資本金要件の大幅な引き上げ

  • 従来の「500万円以上」から、「3,000万円以上」へと大幅に引き上げられました。

経営者の経歴・学歴要件の追加

  • 経営者本人の実務経験や学歴に関する審査基準が新たに設けられました。

日本語能力の要件追加

  • 日本で事業を運営するためのベースとなる、日本語能力の要件が新設されました。

※これから日本で起業し、「経営・管理」ビザの取得をお考えの方は、以前よりも非常に高いハードルをクリアする必要があります。事前の綿密な事業計画と準備が不可欠となりますので、お早めに当事務所までご相談ください。


経営・管理の在留資格該当性

出入国管理及び難民認定法(入管法)では、「経営・管理」ビザで行うことができる活動を次のように規定しています。

本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うごとができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)

【入管法別表第1の2の表の「経営・管理」の項の下欄】


「経営・管理」ビザの条件(在留資格該当性)とは?

「経営・管理」ビザを取得・維持するための大前提として、入管法が定める「在留資格該当性」を満たしている必要があります。これは、「日本で行う活動が、法律上の『経営・管理』の対象として認められているか」という条件のことです。


入管法では、このビザで行うことができる活動を「日本において事業の経営を行い、又は当該事業の管理に従事する活動」と定めています。(※弁護士や税理士など、特別な国家資格が必要な事業は除きます)


【最重要】「実質的」に経営・管理しているか

単に会社の役員に就任したり、お金を出資したりするだけでは「経営・管理」ビザには該当しません。事業の運営に関する重要事項の決定、業務の執行、監査などに実質的に参画していることが厳しく問われます。


名ばかりの経営陣や、実態のないペーパーカンパニーでの申請は不許可となります。


具体的な活動内容(「経営」と「管理」の違い)

  • 「経営・管理」ビザの対象となる活動は、大きく「経営」と「管理」の2つに分けられます。業種に制限はなく、適法であれば貿易業、飲食店、不動産業など、どのような事業でも対象となります。


1. 「経営」を行う活動(事業のトップとしての活動)

事業の運営方針などの重要事項を決定し、業務を執行、または監査する活動です。

  • 該当する役職:代表取締役、取締役、監査役など
  • 注意点:日本には「投資ビザ」というものは存在しません。多額の資金を投資したとしても、自ら事業の経営を行わなければビザは取得できません。


2. 「管理」に従事する活動(管理者としての活動)

経営者の下で、事業部門の統括や管理業務を行う活動です。

  • 該当する役職:規模の大きな会社の部長、工場長、支店長など


【審査の3類型】どのような形で事業に関わるか

審査要領では、事業への関わり方を以下の3つのパターンに分類しています。いずれのケースでもビザの対象となります。

  1. 日本で新しく事業・事務所を立ち上げて、経営・管理を開始する
  2. すでに日本にある既存の会社に参画して、経営・管理を行う
  3. 経営者(親会社や創業者など)に代わって、経営・管理を任される


審査・更新における4つの厳格なチェックポイント

「経営・管理」ビザは、取得時だけでなく更新時にも厳しい審査が行われます。以下の要件を満たしていない場合、ビザの更新が不許可となるおそれがあります。


1. 事業の安定性と継続性

事業が安定して行われ、将来にわたって継続できることが客観的な資料(決算書や事業計画書など)で認められる必要があります。
事業が立ち行かなくなることが明白な場合は許可されません。


2. 長期間の出国の禁止

在留期間中に正当な理由なく長期間日本を出国していた場合、「日本で実質的な経営・管理活動を行っていない(活動実態がない)」とみなされ、ビザの更新が認められません。

3. 公的義務の適切な履行

国税、地方税、健康保険、厚生年金などの税金や社会保険料を、期限通りに適切に納付していることが必須です。


4. 【要注意】短期来日での役員会議への出席

日本法人の役員(経営者)に就任し、その日本法人から役員報酬等が支払われる場合、経営会議や連絡業務のために数日間だけ来日するようなケースであっても「短期滞在」ビザで入国して活動することはできません。この場合も「経営・管理」ビザの取得が必要となりますので、海外在住の役員を日本に呼ぶ際は十分にご注意ください。


経営・管理の要件(上陸許可基準適合性)

上陸許可基準とは、在留資格該当性があると考えられる外国人が、ビザ申請の際に、満たしていなければならない要件(基準)であり、基準に適合しているかどうかを意味します。


「経営・管理」ビザの審査基準(上陸許可基準適合性)は、入管法の基準省令には以下のように定義されています。

(第1号)
申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。 ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業として使用する施設が本邦に確保されていること。


(第2号)
申請に係る事業の規模が次のいずれにも該当していること。


イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する常勤の職員(法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。


ロ 申請に係る事業の用に供される財産の総額(資本金の額及び出資の総額を含む。)が3000万円以上であること。
「申請に係る事業の用に供される財産の総額(資本金の額及び出資の総額を含む。)が3000万円以上」関して、当該資金の出所と送金経路の立証資料を求められる場合があります。


申請人が取得した株式や事業に投下しているお金の出所など、事業の開始にいたる経緯や実質的に事業の経営を行う者でであるかどうか判断されます。


例えば、預貯金の通帳や送金の記録などの写しが必要になる場合があります。
本当に申請人が経営を行うつもりなのか判断する材料になるからなのです。


(第3号)
申請に係る事業の経営を行い、又は当該事業に従事する者(非常勤の者を除く。)のうちいずれかの者が、高度に自立して日本語を理解し、使用することができる水準以上の能力を有している者であって、かつ、申請人が当該事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する時において、本邦に居住することとしているものであること。


(第4号)
次のいずれかに該当していること。
イ 経営管理に関する分野又は申請に係る事業の業務に必要な技術若しくは知識に係る分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位(学位規則(昭和28年文部省令第9号)第5条の2に規定する専門職学位をいい、外国において授与されたこれに相当する学位を含む。)を有していること。


ロ 事業の経営又は管理について3年以上の経験(特定活動の在留資格(法第7条第1項第2号の告示で定める活動のうち本邦において貿易その他の事業の経営を開始するために必要な事業所の確保その他の準備行為を行う活動を含む活動を指定されたものに限る。)をもって本邦に在留していた期間がある場合には、当該期間を含む。)を有していること。


(第5号)
申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

【上陸基準省令の「経営・管理」の項の下欄】


「経営・管理」ビザの審査基準(許可のための要件)

「経営・管理」ビザを取得するためには、活動内容に加えて、法律で定められた「上陸許可基準」を満たしている必要があります。


この基準は、不適切なビザ取得を防ぐために令和7年(2025年)に大幅な改正が行われ、非常に厳格化されました。現在、許可を得るためには以下の「5つの要件」をすべてクリアすることに加え、高いレベルの事業計画が求められます。


【重要】「事業計画書」の専門家確認が必須に

提出する事業計画書は、単に作成するだけでなく、具体性・合理性があり実現可能なものである必要があります。そのため、「中小企業診断士」「公認会計士」「税理士」のいずれかの専門家による確認が必須となりました。


また、飲食店や不動産業など許認可が必要な事業を行う場合は、その許認可の取得状況を証明する資料も求められます。


許可のための5つの厳格な要件

要件1:独立した「事業所」の確保

事業を行うための独立した実体のある事業所(オフィス、店舗、工場など)を日本国内に確保している必要があります。

  • 賃貸契約書の目的:必ず「事業用」「店舗」「事務所」等となっている必要があります。「居住用」の物件では認められません。
  • 認められない例:郵便転送や電話代行のみの「バーチャルオフィス」、数ヶ月単位の「短期賃貸スペース」、簡易パーティションのみで区切られた独立性のない「レンタルオフィス」などは不可となります。
  • 【改正のポイント】自宅兼事務所は原則不可:以前は認められていた「自宅の一部を事業所として利用する」形態は、原則として認められなくなりました。


要件2:事業の規模(常勤雇用 + 資本金3,000万円以上)

事業の規模について、以下の両方を満たしている必要があります。


① 常勤職員を1名以上雇用すること

  • 日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、定住者のいずれかの常勤スタッフを1名以上雇用する必要があります。(※一般的な就労ビザを持つ外国人は対象外です)


② 資本金または出資総額が「3,000万円以上」であること

  • 事業に投下される資金が3,000万円以上必要です。審査では、いわゆる「見せ金」ではないか厳しくチェックされるため、預貯金通帳の写しや送金記録など、資金の出所と送金経路の証明が求められます。


要件3:日本語能力と日本居住の要件

① 日本語能力(N2レベル以上)

  • 経営者本人、または雇用する常勤職員のいずれかが、高い日本語能力(B2相当以上)を有している必要があります。
  • (※JLPTのN2以上合格、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上、日本の大学・高校卒業、日本での中長期在留20年以上などが目安となります)


② 経営者本人の日本居住要件

  • 経営者は原則として日本に居住して事業を行う必要があります。正当な理由なく長期間日本を出国していると、活動実態がないとみなされ、ビザの更新ができなくなります。


要件4:経営者の経歴(学歴または職歴)

経営者としての資質を問うため、以下のいずれかを満たしている必要があります。

  • 学歴:経営管理や事業に関連する分野での「博士」「修士」、または「専門職学位(MBAなど)」を取得していること。(海外の学位も含まれます)
  • 職歴:事業の経営または管理について「3年以上」の実務経験があること。(※日本での起業準備活動の期間も含まれます)


要件5:管理者としての「報酬」要件(※管理者の場合)

経営者(社長など)ではなく、「管理者(部長や工場長、支店長など)」として日本の企業に雇用される場合は、日本人が同じ業務に就く場合と同等額以上の報酬(給与)を受け取ることが必要です。


審査における5つの重要ポイントと注意点

1. 業種の制限と「非営利」事業の扱い

日本国内で適法に行われる事業であれば、業種に制限はありません。


飲食店(多国籍料理店など)、リサイクル業、さらには法律を遵守して運営される風俗営業店など、あらゆる適法な事業が対象となります。


また、株式会社などの営利企業だけでなく、営利を目的としない事業(NPO法人など)や、外国の政府・地方公共団体の機関として行われる事業であっても対象として認められます。


2. 出資される資金の出所

事業に投資されるお金は、外国人や外国法人が出資したものである必要はありません。


日本人や日本法人のみが出資している事業であっても、外国人本人がその事業の経営・管理を実質的に行うのであれば、ビザの対象となります。


3. 【要注意】現場での労働(現業)について

「経営・管理」ビザは、事業のトップとして経営判断を行う、あるいは管理者として事業部門を統括するためのビザです。


人手不足などの理由で、経営者が臨時的に現場の仕事(接客、調理、レジ打ち、品出しなどの現業)を手伝うことは許容されます。


しかし、日常的かつメインの業務として現場労働に従事しているとみなされた場合は、「経営・管理」の活動には該当しないと判断され、ビザの取り消しや更新不許可の原因となります。


4. 複数人(共同経営)でビザを取得する場合の厳しい基準

2人以上の外国人が共同で事業を立ち上げ、全員が役員として「経営・管理」ビザを取得したい場合、審査は非常に厳しくなります。


単に役員に名を連ねているだけでは許可されません。「本当に複数人の経営者・管理者が必要な規模の事業なのか」を、事業規模、業務量、売上、従業員数などから総合的に審査されます。(例:他に従業員がいない小規模な事業で、2人の外国人が共同代表としてビザを取得することは極めて困難です)


5. ビザ更新時の厳格なチェック項目(税金・保険・居住実態)

ビザの更新時には、事業が適正に運営されているか以下の点が厳しくチェックされます。


公租公課(税金・保険)の適正な支払い

  • 事業所としての国税・地方税の納付はもちろん、労働保険(労災・雇用保険)や社会保険(健康保険・厚生年金)への加入および保険料の支払い状況が厳格に確認されます。未納や加入逃れがある場合は、更新が認められない可能性が高くなります。


長期間の出国(日本不在)の禁止

  • 近年の法改正により、正当な理由なく長期間日本を出国している場合、「日本で実質的な経営・管理活動を行っていない(活動実態がない)」とみなされ、在留期間の更新が認められなくなりました。




「経営・管理」ビザを申請するために必要な書類は経営・管理ビザの必要書類に記載しています。




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