研修ビザ

「研修」ビザとは、本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動をするための在留資格です。

在留資格「研修」 (Training Visa)



「研修」ビザとは

「研修」ビザは、日本の企業や自治体、公的機関などに受け入れられ、実務や座学を通じて技術・技能・知識を修得する活動を行う外国人のための在留資格です。


本制度の最大の目的は、日本で修得した技術や知識を母国へ持ち帰り、母国の経済発展に役立ててもらうこと(国際貢献・技術移転)にあります。


「研修」ビザをもって在留する外国人の人数
専門的な技術や知識の修得を目的として、毎年一定数の外国人がこのビザで来日し、日本の技術を学んでいます。

VISA 2022年12月末 2023年12月末 2024年12月末 2025年12月末
研修 497人 714人 754人 719人


間違えやすい他のビザとの違い

技能や知識を学ぶ類似のビザとして「技能実習」や「留学」がありますが、制度の仕組みに決定的な違いがあります。

1. 「技能実習」ビザとの違い = 雇用契約の有無

最も大きな違いは、雇用契約の有無です。

  • 「研修」ビザ:受け入れ機関との間に「雇用契約がありません」。労働者ではないため賃金(給与)は発生せず、生活に必要な実費としての「研修手当」のみが支給されます。
  • 「技能実習」ビザ:受け入れ機関と「雇用契約を結ぶ」ため、労働関係法令が適用され、日本人と同等以上の給与が支払われます。


2. 「留学」ビザとの違い = 学ぶ場所の違い

  • 「研修」ビザ:企業、自治体、公的な研修機関などの「教育機関以外の機関」において、実務的な技能や知識を修得します。
  • 「留学」ビザ:大学、専門学校、日本語学校などの「教育機関」に在籍して学術的な教育を受けます。


審査で重要となる「就労・アルバイト不可」の厳格なルール

「研修」ビザはあくまで「学び」を目的としたビザであるため、就労に関して以下の厳格なルールが定められています。


研修終了後の日本での就労は「原則不可」
研修終了後は速やかに帰国し、母国で技能を活かすことが制度の趣旨です。そのため、研修が終わってからそのまま日本の企業に就職し、就労ビザへ変更することは原則として認められません。


アルバイト(資格外活動許可)は不可
研修に専念させるという目的から、留学生などに認められている「資格外活動許可(週28時間以内のアルバイト)」を取得することは一切できません。


在留期間について
「研修」ビザで許可される在留期間は、研修の計画に応じて以下のいずれかが決定されます。

  • 1年、6ヶ月、3ヶ月


※研修期間は原則として「最長1年間」までとされています。
ただし、修得する技能の性質上、どうしても1年を超える研修プログラムを実施する必要があるという「合理的な理由」が入管に認められた場合に限り、例外的に最長2年まで滞在が認められるケースがあります。


研修の在留資格該当性

「研修」ビザを取得するための第一歩は、入管法が定める「在留資格該当性」を満たすことです。これは、「日本で行おうとする活動が、法律上の『研修』ビザの対象に当てはまっているか」という条件のことです。


入管法では、このビザで認められる活動を次のように規定しています。

本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(2の表の技能実習1号、この表の留学の項に掲げる活動を除く。)

【入管法別表第1の4の表の「研修」の項の下欄】

わかりやすく言うと、「日本の企業や公的機関等に受け入れられ、就労(労働)を伴わずに、専門的な技能・技術・知識を学ぶ活動」が対象となります。


「研修」ビザに該当する3つの活動パターン

「研修」ビザは非就労資格であるため、日本の企業等で働きながら学ぶ(実務作業を行う)ことは原則としてできません。具体的には、以下の3つのパターンのいずれかに該当する研修プログラムが対象となります。


1. 実務作業を伴わない「非実務のみ」の研修

企業の会議室や研修施設などで行われる、座学や見学を中心とした研修です。(※実際に生産ラインに入って商品を作ったり、顧客にサービスを提供したりする労働は含まれません。)


2. 国や地方公共団体が実施する研修

日本の政府や自治体が直接主体となって実施する、公的な研修プログラムです。


3. 独立行政法人などの資金・事業として行われる研修

JICA(国際協力機構)などの公的資金や支援によって運営される事業の一環として行われる研修です。


審査の最重要ポイント:「技術移転のレベルと必要性」

「研修」ビザの根本的な目的は、「日本で学んだ高度な技能や知識を母国に持ち帰り、母国の経済発展に活かすこと(技術移転)」にあります。そのため、研修内容がこの目的に合致しているかが入管の審査で厳しく確認されます。


以下のような場合は「研修の必要性がない」と判断され、ビザの対象とは認められません。


すでに身につけている技能の反復
研修生が本国で既に修得している技術や知識を、日本でただ繰り返すだけの場合。


修得レベルが低すぎる場合(単純作業など)
研修の到達目標が低く、わざわざ日本から本国へ移転して教えるべき専門的なレベルに達していない場合。(※単なる単純労働の隠れ蓑になっていないかが確認されます。)


「研修」ビザの該当性を満たすためには、本国では修得が困難なレベルの専門技術であり、研修生が帰国後にその技術を確実に活かせる環境(復職予定など)があることを、カリキュラムを通じて客観的に説明する必要があります。


研修の要件(上陸許可基準適合性)

「研修」ビザで外国人を受け入れるためには、(在留資格該当性)に加えて、入管法で定められた「上陸許可基準(第1号〜第8号)」をすべて満たす必要があります。


これらの基準は、研修制度が「安価な労働力の確保(不法就労)」に悪用されることを防ぎ、真の意味での「技術移転・国際貢献」を実現するために非常に厳格に定められています。


審査で求められる8つの重要要件

「研修」ビザの審査基準(上陸許可基準適合性)は、入管法の基準省令には以下のように定義されています。

(1号) 申請人が修得しようとする技能等が同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと。


(2号) 申請人が18歳以上であり、かつ、国籍又は住所を有する国に帰国後本邦において修得した技能等を要する業務に従事することが予定されていること。


(3号) 申請人が住所を有する地域において修得することが不可能又は困難である技能等を修得しようとすること。


(4号) 申請人が受けようとする研修が研修生を受け入れる本邦の公私の機関(以下「受入れ機関」という。)の常勤の職員で修得しようとする技能等について5年以上の経験を有するものの指導の下に行われること。


(5号) 申請人が本邦において受けようとする研修の中に実務研修(商品の生産若しくは販売をする業務又は対価を得て役務の提供を行う業務に従事することにより技能等を修得する研修(商品の生産をする業務に係るものにあっては、生産機器の操作に係る実習(商品を生産する場所とあらかじめ区分された場所又は商品を生産する時間とあらかじめ区分された時間において行われるものを除く。)を含む。)をいう。第8号において同じ。)が含まれている場合は、次のいずれかに該当していること。
イ 申請人が、我が国の国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が自ら実施する研修を受ける場合
ロ 申請人が独立行政法人国際観光振興機構の事業として行われる研修を受ける場合
ハ 申請人が独立行政法人国際協力機構の事業として行われる研修を受ける場合
ニ 申請人が独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構技術センターの事業として行われる研修を受ける場合
ホ 申請人が国際機関の事業として行われる研修を受ける場合
ヘ イからニに掲げるもののほか、申請人が我が国の国、地方公共団体又は我が国の法律により直接に設立された法人若しくは我が国の特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人若しくは独立行政法人の資金により主として運営される事業として行われる研修を受ける場合で受入れ機関が次のいずれにも該当するとき。

  • (1) 研修生用の宿泊施設を確保していること(申請人が受けようとする研修の実施についてあっせんを行う機関(以下この号及び次号において「あっせん機関」という。)が宿泊施設を確保していることを含む。)。
  • (2) 研修生用の研修施設を確保していること。
  • (3) 申請人の生活の指導を担当する職員を置いていること。
  • (4) 申請人が研修中に死亡し、負傷し、又は疾病に罹患した場合における保険(労働者災害補償保険を除く。)への加入その他の保障措置を講じていること(あっせん機関が当該保障措置を講じていることを含む。)。
  • (5) 研修施設について労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)の規定する安全衛生上必要な措置に準じた措置を講じていること。


ト 申請人が外国の国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる機関の常勤の職員である場合で受入れ機関がヘの(1)から(5)までのいずれにも該当するとき。
チ 申請人が外国の国又は地方公共団体の指名に基づき、我が国の国の援助及び指導を受けて行う研修を受ける場合で次のいずれにも該当するとき。

  • (1) 申請人が外国の住所を有する地域において技能等を広く普及する業務に従事していること。
  • (2) 受入れ機関がヘの(1)から(5)までのいずれにも該当すること。


(6号) 受入れ機関又はあっせん機関が研修生の帰国旅費の確保その他の帰国担保措置を講じていること。


(7号) 受入れ機関が研修の実施状況に係る文書を作成し、研修を実施する事業所に備え付け、当該研修の終了の日から1年以上保存することとされていること。


(8号) 申請人が本邦において受けようとする研修の中に実務研修が含まれている場合は、当該実務研修を受ける時間(2以上の受入れ機関が申請人に対して実務研修を実施する場合にあっては、これらの機関が実施する実務研修を受ける時間を合計した時間)が、本邦において研修を受ける時間全体の3分の2以下であること。ただし、申請人が、次のいずれかに該当し、かつ、実務研修の時間が本邦において研修を受ける時間全体の4分の3以下であるとき又は次のいずれにも該当し、かつ、実務研修の時間が本邦において研修を受ける時間全体の5分の4以下であるときは、この限りでない。

  • イ 申請人が、本邦において当該申請に係る実務研修を4月以上行うことが予定されている場合
  • ロ 申請人が、過去6月以内に外国の公的機関又は教育機関が申請人の本邦において受けようとする研修に資する目的で本邦外において実施した当該研修と直接に関係のある研修(実務研修を除く。)で、1月以上の期間を有し、かつ、160時間以上の課程を有するもの(受入れ機関においてその内容が本邦における研修と同等以上であることを確認したものに限る。)を受けた場合

【上陸基準省令の「研修」の項の下欄】


(第1号)単純作業ではないこと

研修で学ぶ内容が、「同一作業の単純な反復のみ」で修得できるものではないことが必要です。手足を動かすだけの簡単な作業であれば、わざわざ日本に渡航して学ぶ必要性がないと判断されます。


(第2号)年齢と帰国後の復職予定

研修生が「18歳以上」であり、研修終了後に母国へ帰国し、「日本で修得した技術・技能を活かせる業務に従事すること」が予定されている必要があります。技術移転という制度の趣旨を果たすための必須条件です。


(第3号)母国での修得が困難であること

修得しようとする技能・知識が、研修生の母国(住所地)では修得することが不可能、または困難であることが求められます。「日本だからこそ学べる」という必然性が必要です。


(第4号)経験豊富な指導員による指導

研修は、受け入れ機関の常勤職員であり、かつ修得させる技能について「5年以上」の実務経験を持つ研修指導員の指導の下で行われる必要があります。(※指導員の経験年数は、過去に別の会社で積んだ同種業務の経験も合算可能です。)


(第5号)「実務研修」が含まれる場合の厳格な制限

研修プログラムの中に、商品を作ったりサービスを提供したりする「実務研修(実地での作業)」が含まれる場合は、原則として以下の公的な機関や事業に限定されます。

  • 国、地方公共団体、独立行政法人などが自ら実施、または資金提供して運営する研修
  • JICA(国際協力機構)などの公的事業として行われる研修
  • 外国政府の常勤職員を対象とした研修 など

※一般の民間企業が単独で実施する「実務研修」は、原則として認められていません。


(第6号)帰国費用の確保(帰国担保措置)

研修生が研修終了後に確実に帰国できるよう、受け入れ機関側が帰国旅費(航空券代等)の全額を負担し、事前に確保しておく義務があります。(※倒産時などのリスクに備えた措置です。)


(第7号)研修記録の作成・保存義務

受け入れ機関は、研修日誌や指導内容、研修時間、支給した研修手当などが詳細に記録された文書を作成し、研修終了後少なくとも1年間は事業所に保存しなければなりません。


(第8号)実務研修の「時間制限」

研修プログラムに実務研修が含まれる場合、その時間が「研修全体の時間の3分の2以下」に制限されます。これは、実務研修が労働(就労活動)になりすぎないよう制限するためのルールです。


(※例外として、4ヶ月以上の長期研修の場合や、来日前に海外で十分な座学研修を終えている場合などは、実務研修の割合を「4分の3以下」や「5分の4以下」まで緩和できる特例措置があります。)






「研修」ビザを申請するために必要な書類は研修ビザの必要書類に記載しています。




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