
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、日本の企業や機関との契約に基づき、専門的な学術・技術知識を必要とする業務や、外国人の思考・感性を活かした業務に従事するための就労ビザです。
一般的な企業で働く外国人の大半がこのビザを取得しており、就労ビザの中で圧倒的トップの在留人数を誇ります。
在留外国人数(技人国ビザ)の推移
日本の労働力不足や高度人材獲得の動きを背景に、在留人数は年々大きく増加しています。
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VISA |
2022年12月末 | 2023年12月末 | 2024年12月末 | 2024年12月末 |
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| 技術・人文知識・国際業務 | 311,961人 | 362,346人 | 418,706人 | 475,790人 |
このビザは、従事する業務の内容によって大きく「技術」「人文知識」「国際業務」の3分野に分けられます(申請時はこれらを包括した1つのビザとして発給されます)。
自然科学の分野(理科系)に属する技術や知識を必要とする業務です。
人文科学の分野(文系)に属する知識や理論を必要とする業務です。
外国の文化や言語に源流を持つ思考・感性、または語学能力を必要とする業務です。
このビザはあくまで「専門的・高度な業務」を行うためのものです。そのため、学術的知識や高度なスキルを要しない「単純労働」や「雑務」は認められません。
※新入社員研修などで一時的に現場実習を行う場合は例外的に認められることがありますが、恒常的な現場作業は不許可や在留資格取消しの対象となるため注意が必要です。
在留期間について
許可される在留期間は、企業の規模・安定性や本人の雇用契約期間等に応じて、以下の4つのいずれかが決定されます。

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するための第一歩は、入管法が定める「在留資格該当性」を満たすことです。
これは、「日本で行おうとする活動が、法律上の『技人国』ビザの対象に当てはまっているか」という条件のことです。
入管法では、このビザの対象となる活動を「日本の機関との契約に基づいて行う、理系・文系の専門的業務、または外国の文化を活かした業務」と定めています。
入管法の別表第1の2の表の項の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄は、以下のとおり規定されています。
本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、 経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(1の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項から興行の項までの下欄に掲げる活動を除く。)
【入管法別表第1の2の表の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄】
ビザを取得するためには、まず「本邦の公私の機関(日本国内の企業や組織)」と契約を結ぶ必要があります。
契約の形態
契約先の形態
受け入れ体制
このビザに該当する活動は、以下の3つの分野のいずれか(または複数)の専門知識・技術を必要とする業務に分かれています。
単なる経験の蓄積でできる業務ではなく、大学等で学ぶような学術的・体系的な知識が必要な業務であることがポイントです。
理学、工学などの理系分野における、学術上の素養や高度な専門技術・知識がなければできない業務です。
具体的な職種例
法律学、経済学、社会学などの文系分野における、学問的で体系的な知識を必要とする業務です。
具体的な職種例
外国人特有の感性や、外国の社会・歴史・伝統の中で培われた「一般の日本人が持たない発想や感覚」を必要とする業務です。
具体的な職種例

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するためには、契約先の企業が決まっていること(在留資格該当性)に加えて、法律で定められた「上陸許可基準」を満たす必要があります。
審査基準(上陸許可基準適合性)は、入管法の基準省令には以下のように定義されています。
申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和61年法律第66号)第58条の2に規定する国際仲裁事件の手続等及び国際調停事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでない。
(第1号)
申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでない。
- イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと
- ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。) したこと。
- ハ 10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間を含む。)を有すること。
(第2号)
申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
- イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。
- ロ 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。
ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。
(第3号)
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。【上陸基準省令の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄】
具体的には、従事する業務が【理系・文系(技術・人文知識)】なのか、【国際業務】なのかによって求められる「学歴・職歴の要件」が異なります。
さらに、すべての申請者に共通する「報酬要件」をクリアしなければなりません。
エンジニア、営業、経理、マーケティングなどの専門業務(自然科学・人文科学分野)に従事する場合、以下のいずれかの要件(学歴・職歴・資格のいずれか)を満たしている必要があります。
従事しようとする業務に必要な技術や知識に関連する科目を専攻し、以下のいずれかを卒業していること。
※入管の審査では、「学校で専攻した内容」と「入社後に従事する業務」の関連性が厳しくチェックされます。大学卒業の場合は比較的関連性が広く認められる傾向にありますが、専修学校(専門学校)卒業の場合は、学習内容と業務内容が直結している必要があります。
学歴要件を満たさない場合でも、日本で従事しようとする業務について「10年以上」の実務経験があれば要件を満たします。
(※この10年には、大学や高校、専修学校などでその技術や知識に関する科目を専攻して学んだ期間を含めることができます。また、技能実習や特定技能等の期間をカウントできるケースもあります。)
プログラマーやシステムエンジニアなどの情報処理(IT関連)業務に従事する場合、法務大臣が指定する「情報処理技術に関する試験(基本情報技術者試験など)」に合格、または資格を保有していれば、上記の学歴(大学卒業など)や10年の実務経験がなくても要件を満たすものとして扱われます。
翻訳、通訳、語学の指導、海外取引、デザイン、商品開発など、外国人特有の感性を活かす業務に従事する場合は、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
従事しようとする業務に関連する業務について、「3年以上」の実務経験があること。
「翻訳」「通訳」「語学の指導(語学学校の講師など)」のいずれかの業務に従事する場合に限っては、大学を卒業していれば、3年以上の実務経験は不要となります。専攻科目も問われません。(※専修学校の卒業のみではこの特例は使えず、3年の実務経験が必要です。)
どのような業務に従事する場合であっても、以下の報酬要件をクリアすることが絶対条件となります。
【日本人と同等額以上の報酬(給与)を受けること】
日本で就労するにあたり、「日本人が同じ会社で同じ業務に従事する場合に受け取る報酬と同等額以上」の給与を受け取らなければなりません。外国人であることを理由とした不当な低賃金労働を防ぐための基準です。
※ここでいう「報酬」とは、基本給や賞与(ボーナス)などを指します。通勤手当や住宅手当など、実費弁償的な性質の手当は「報酬」の額には含まれないため、基本給の設計には注意が必要です。

「技術・人文知識・国際業務」ビザの審査において、入国管理局が特に重視する「求められる専門知識のレベル」と、最もつまずきやすい「学校での専攻科目と業務内容との関連性」について解説します。
このビザで従事する業務は、見よう見まねや単純な反復練習で習得できるものではなく、「一定以上の学術上の素養」を必要とする専門業務でなければなりません。
具体的には、以下の基準を満たすレベルの知識・技術が求められます。
ビザを取得するための最大の関門が、学校(大学や専門学校など)で専攻した科目と、就職先で実際に行う業務内容が関連していることです。(※完全に一致している必要はありませんが、関連性は必須です。)
この「関連性の審査の厳しさ」は、卒業した学校の種類によって大きく異なります。
大学等における専攻科目と、従事しようとする業務の関連性については、比較的緩やか(広く柔軟)に判断されます。 学部・学科名に縛られすぎず、大学で学んだ幅広い知識を活かせる業務であれば認められやすい傾向にあります。
専門学校における専攻科目と業務内容については、大学卒に比べて「相当程度の関連性(学習内容と業務が直結していること)」が厳しく求められます。
※大前提として、日本の専門学校を卒業して就労する場合、卒業時に「専門士」または「高度専門士」の称号を取得していることが必須要件となります。
原則として専攻と業務の完全な一致が求められる専門学校卒ですが、近年設けられた特例があります。
文部科学省等の認定を受けた「専門学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成プログラム」の対象学科を修了した専門士については、例外的に、専攻科目と業務の関連性が大学卒と同等レベルに柔軟に判断されます。
これは、企業と連携した実習授業が行われていることや、日本社会・ビジネスへの理解を促進する環境が整っているなど、実践的で質の高い教育を受けていると評価されるためです。
※なお、通常の専門学校卒であっても、単に学科名だけで不許可になるわけではありません。成績証明書等から「履修した授業・科目の内容全体」を確認し、従事する業務との関連性が総合的に判断されます。
「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請するために必要な書類は技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類に記載しています。
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