「老親扶養」ビザまたは「連れ親」ビザとは、あらかじめ告示に定められていない活動であって(告示外特定活動)、きわめてハードルが高く、人道上の特別な理由があり、かつて先例として日本人(帰化をした者)または正規に在留する外国人の高齢の親(70歳以上の実親)の扶養をするために日本に呼び寄せることが認められたことがある在留資格です。
非常に許可されるハードルが高いですが、在留を認めるべき必要性および日本における定着性が高く、独立生計要件や素行善良要件に問題がない場合は、「人道上の特別な理由がある」として(告示外)特定活動が認められる可能性はあります。
かつて「老親扶養」ビザは、比較的緩やかに許可されていたことがありましたが、近年「老親扶養」ビザのニーズが急増しており、日本の財政的な事情もあり許可のハードルがきわめて高くなっています。
老親扶養(連れ親)ビザは、告示外特定活動ですので、在留資格認定証明書の交付申請対象外ですので、当ビザにて高齢な親を呼び寄せることはできません。
よって、まずは、「短期滞在」ビザにて上陸してもらい、「老親扶養」ビザへ在留資格変更許可申請をする必要があります。
高齢な親(70歳以上の実親)は日本にいる子以外に適当な扶養者がおらず(身寄りがいない)、高齢な親の行く末が心配な場合に認められます。
高齢な親(70歳以上の実親)は、扶養されることが要件となっていますので、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動は、認められません。
当然、高齢な親を扶養する必要がありますので、子の経済環境はあるていど安定していないと認められません。
実は入管法上の「老親扶養」ビザという在留資格はありません。
「老親扶養」ビザは、人道上の特別な理由がある場合に限り許可される極めて許可が出ないビザなのです。
あくまでかつて先例として告示外の特定活動として認められたことがあるに過ぎないのです。
「老親扶養」ビザの要件とは、次の要件になります。
しかし、すべての要件を満たしたからと言って、「老親扶養」ビザの許可がでるかどうかわかりません。
また上記のような要件を一部満たしていない場合でも人道上配慮をすべき特別な理由がある場合にも許可される場合もあります。
上記の条件を満たした場合、綿密にミスなくすべてを丁寧に立証・説明する必要があります。
まとめとしては、「老親扶養」ビザは、人道上の特別な理由があり、親を日本に呼び寄せるのに「やむにやまれぬ」事情がある場合に限られる在留資格です。
つまり、親が一人で生活することが困難であり(親の自活能力)、子が日本から離れることがきわめて難しい場合(日本での定着性がある)に許可される在留資格です。
正直言いますと「老親扶養」ビザは極めてハードルが高く最難関のビザでありますので、当事務所で依頼があってもお断りしていることが多いです。
しかし、あきらめずにお気軽にご相談ください。