外国人の必要な届出

中長期間在留する外国人を対象として出入国在留管理庁長官が在留管理に必要な情報を継続的に把握するため、外国人がする必要がある届出制度があります。

外国人の中長期在留者に関する届出


中長期在留者の「届出義務」とは?怠るとビザ更新に影響も

日本に中長期間滞在する外国人の方(中長期在留者)は、「在留管理制度」の対象となり、入管法で定められた各種の届出を行う義務があります。


もしこの届出を怠ると、将来のビザ(在留資格)の変更や更新の審査で不利になるだけでなく、最悪の場合はビザが取り消されてしまうこともあります。ここでは、どのような人が対象で、どのような届出が必要なのかをわかりやすく解説します。


1. 「中長期在留者」とは?(在留管理制度の対象者)

中長期在留者とは、日本に中長期間在留する外国人の方で、在留カード」が交付されている方を指します。
具体的には、以下の1~6の「いずれにも当てはまらない」外国人の方が中長期在留者となります。


  1. 「3ヶ月」以下の在留期間が決定された人
  2. 「短期滞在」のビザ(在留資格)が決定された人
  3. 「外交」または「公用」のビザが決定された人
  4. 「特定活動」のビザが決定された、台湾日本関係協会の日本の事務所、もしくは駐日パレスチナ総代表部の職員またはその家族
  5. 特別永住者の方
  6. 在留資格を有しない人(不法滞在者など)


2. 必要な各種「届出」について

中長期在留者の方は、ご自身の状況に変更があった場合、決められた期限内に以下の届出や申請を行う義務があります。


住居地の届出

  • 引越しをして住所が変わった際、市区町村の役場へ届け出る必要があります。

在留カードの記載事項に係る届出

  • 氏名、国籍、地域などに変更があった場合、入管へ届け出ます。

所属機関等に関する届出

  • 就労ビザ等をお持ちの方が、転職・退職した際や、留学生が学校を卒業・退学した際などに、入管へ届け出ます(契約機関に関する届出・活動機関に関する届出など)。

在留カードの有効期間更新申請

  • 永住者の方や、16歳未満で在留カードの有効期限が到来する方が行います。

紛失等による在留カードの再交付申請

  • 在留カードを失くしたり、盗まれたりした場合に行います。

在留カードの返納

  • 日本から完全に出国(帰国)する際や、ビザが失効した際などにカードを返納します。

※各種届出の期限や方法については、出入国在留管理庁のホームページもご参照ください。


3. 届出をしないとどうなる?(罰則と注意事項)

これらの届出義務は、「ついうっかり忘れていた」では済まされない場合があります。


ビザの変更・更新審査で「不利」になる

  • 届出義務を履行していない(ルールを守っていない)と判断され、次回のビザの更新や変更の審査においてマイナス評価を受け、最悪の場合不許可になるリスクがあります。

罰則の対象になる

  • 虚偽の届出をした場合や、届出義務を意図的に違反した場合、また在留カードの「携帯義務」や「提示義務」に違反した場合は、法律により罰則(罰金など)が科されることがあります。

「在留資格の取消し」になる場合がある

  • 正当な理由がないのに「住居地の届出」を長期間しなかったり、虚偽(ウソ)の住所を届け出たりした場合、入管法に基づき現在のビザ(在留資格)が取り消されてしまう可能性があります。


【専門家からのアドバイス】
特に「所属機関等に関する届出(転職や退職時の届出)」は、14日以内に行う必要があり、忘れてしまう方が非常に多いです。次回更新時に慌てて気づいても遅いケースがあります。
「自分は届出が必要なのかわからない」「更新が近づいているが届出を忘れていた」など、ビザの手続きや在留管理についてご不安な点があれば、当事務所までお気軽にご相談ください。


中長期在留者の「住居地の届出」ルールと注意点

日本に中長期間在留する外国人(中長期在留者)の方は、住む場所(住居地)を定めたときや、引越しをしたときに、必ず市区町村の窓口で「住居地の届出」をする義務があります。


この届出を長期間放置したり、ウソの住所を届け出たりすると、罰則が科されるだけでなく、ビザ(在留資格)が取り消されてしまう重大なリスクがあります。ここでは、それぞれのタイミングでの届出ルールについてわかりやすく解説します。


1. 新規上陸後(初めて日本に来たとき)の届出

海外から日本に到着し、新たに中長期在留者となった方が、日本での住まいを決めた際に行う手続きです。


届出の期限

  • 住居地を定めた日から14日以内

手続きをする場所

  • お住まいの市区町村の窓口

必要なもの

  • 「在留カード」または「後日在留カードを交付する旨の記載がされたパスポート(旅券)」

ポイント

  • 市区町村の窓口で転入手続きを行えば、入管(出入国在留管理庁)にも自動的に届け出たものとみなされます。わざわざ入管の窓口へ行く必要はありません。


2. 転入・転居(引越し)をしたときの届出

すでに日本に住んでいる中長期在留者の方が、別の市区町村へ引越したり、同じ市区町村内で住所が変わったりした際に行う手続きです。


届出の期限

  • 新しい住居地に移転した日から14日以内

手続きをする場所

  • 新しいお住まいの市区町村の窓口

必要なもの

  • 「在留カード」

ポイント

  • 引越しの際も、市区町村の窓口で転入・転居の手続きを行えば、入管への届出も完了したとみなされます。入管の窓口へ行く必要はありません。


3. ビザの変更で「新たに中長期在留者になった」ときの届出

「短期滞在」などのビザから別のビザへ変更し、新たに中長期在留者(在留カードの交付対象者)となった際に行う手続きです。


届出の期限

  • 新たに中長期在留者となった日(または新しい住居地に移転した日)から14日以内

手続きをする場所

  • お住まいの市区町村の窓口

必要なもの

  • 新しく交付された「在留カード」

ポイント

  • こちらも市区町村での手続きのみで入管への届出は完了とみなされます。


届出をしないとどうなる?(罰則とビザ取消しのリスク)

住居地の届出は、入管法で定められた重要な義務です。ルールを守らないと以下のような厳しいペナルティがあります。


① 罰則の適用

  • 期限内(14日以内)に届出をしなかった場合や、虚偽(ウソ)の届出をした場合は、罰金などの罰則が適用される可能性があります。また、次回のビザの更新・変更の審査において不利に扱われます。

② 在留資格(ビザ)の取消し

  • 正当な理由がないにもかかわらず、「新規上陸後」や「引越し後」から90日以内に住居地の届出をしなかった場合、入管法(第22条の4)の規定に基づき、現在のビザが取り消される対象となります。


【専門家からのアドバイス】
「仕事が忙しくて区役所に行けなかった」「うっかり忘れていた」という理由で90日が過ぎてしまうと、突然ビザが取り消されて日本にいられなくなる危険があります。引越しをした際は、必ず14日以内に市区町村で手続きを行いましょう。


各種ビザの手続きや在留管理に関するルールでご不明な点があれば、当事務所までお気軽にご相談ください。


在留カードの記載事項・所属機関・配偶者に関する変更届出

外国人の方が日本に中長期間在留している間に、結婚・離婚や転職、氏名・国籍の変更などがあった場合は、変更が生じた日から14日以内に入管(出入国在留管理庁)へ届出をしなければなりません。


これらの届出を忘れると、次回のビザ(在留資格)の変更や更新の審査で不利になる可能性があります。ここでは、どんな時にどんな届出が必要かをわかりやすく解説します。


1. 住居地「以外」の在留カード記載事項の変更届出

在留カードに記載されている基本的な身分事項が変わった場合、住所を管轄する地方出入国在留管理官署(入管の窓口)に届け出る必要があります。


対象となる変更事項

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 性別
  4. 国籍・地域


届出の期限:変更が生じた日から14日以内
※もし14日を過ぎてしまった場合は、遅れた理由を説明する書類(理由書等)が別途必要になります。


2. 所属機関(学校・会社など)に関する届出

転職、退職、卒業など、所属している機関に変更があった場合は、14日以内に出入国在留管理庁長官に対し届出をする必要があります。お持ちのビザ(在留資格)によって「活動機関」の届出か「契約機関」の届出かが分かれます。


A. 「活動機関」に関する届出

【対象となるビザ】
「教授」「高度専門職1号ハ・2号ハ」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「教育」「企業内転勤」「技能実習」「留学」「研修」


【届出が必要なケースと内容】

  • 離脱(退職、卒業など):離脱した年月日、前の機関の名称・所在地
  • 移籍(転職、進学など):移籍した年月日、前の機関の名称・所在地、新しい機関の名称・所在地・活動内容(※留学生は活動内容の記載不要)
  • 名称の変更:名称が変わった年月日、変更前と変更後の名称・所在地
  • 所在地の変更:所在地が変わった年月日、機関の名称、変更前と変更後の所在地
  • 消滅(廃業など):消滅した年月日、機関の名称・消滅時の所在地


B. 「契約機関」に関する届出

【対象となるビザ】
「高度専門職1号イ/ロ・2号イ/ロ」「研究」「技術・人文知識・国際業務」「介護」「興行」「技能」「特定技能」


【届出が必要なケースと内容】

  • 契約の終了(退職など):契約終了の年月日、機関の名称・所在地
  • 新たな契約の締結(転職など):新契約の年月日、前の機関の名称・所在地、新しい機関の名称・所在地・活動内容
  • 名称の変更:名称が変わった年月日、変更前と変更後の名称・所在地
  • 所在地の変更:所在地が変わった年月日、機関の名称、変更前と変更後の所在地
  • 消滅(廃業など):消滅した年月日、機関の名称・消滅時の所在地


3. 配偶者に関する届出

日本人や永住者の配偶者として日本に在留している方などが、配偶者と離婚・死別した場合は、14日以内に出入国在留管理庁長官に対し届出をする必要があります。


【対象となるビザ】
「家族滞在」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」


【届出が必要なケースと内容】

  • 配偶者と離婚した場合:離婚した年月日
  • 配偶者と死別した場合:死別した年月日


【専門家からのアドバイス】
引越しの際の「住居地の届出」は市区町村の役場で行いますが、それ以外の変更(氏名、所属機関、配偶者など)は入管への届出が必要です。


特に転職や退職時の「所属機関に関する届出」は忘れがちですが、次回の就労ビザの更新に直結する重要な手続きです。


「14日を過ぎてしまってどうすればいいかわからない」「電子届出のやり方がわからない」などでお困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。


外国人を受け入れる企業・学校の「所属機関からの届出」とは?

外国人を雇用する企業や、留学生を受け入れる学校などの「所属機関(受け入れ機関)」は、入管法に基づき、外国人の受け入れ状況について出入国在留管理庁長官へ「届出」を行う義務があります。


この届出は、外国人が日本で安定して活動できるようにするための重要なルールです。ここでは、就労ビザ等で働く外国人の場合と、留学生の場合に分けて、届出の対象や期限についてわかりやすく解説します。


1. 就労ビザ・研修ビザの外国人を受け入れる機関の届出

企業などの機関が、対象となるビザ(在留資格)をもつ外国人(中長期在留者)を新たに雇い入れたり、退職等で雇用が終了したりした場合に行う届出です。


【対象となる外国人のビザ(在留資格)】

  • 「教授」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「研修」
  • ※「研修」は就労ビザではありませんが、届出の対象に含まれます。


【届出の期限】

  • 受け入れを開始した日、または終了した日から「14日以内」


【届出が必要なケースと内容】
① 受け入れを「開始」した場合(入社など)

  • 中長期在留者の受け入れを開始した年月日
  • その外国人が行う活動の内容(職務内容など)


② 受け入れを「終了」した場合(退職・解雇など)

  • 中長期在留者の受け入れを終了した年月日


2. 「留学」ビザの外国人を受け入れる機関の届出

大学や専門学校、日本語学校などの教育機関が、「留学」のビザをもつ外国人学生(中長期在留者)の受け入れ状況について、定期的に行う届出です。


【届出のタイミングと期限】
毎年「5月1日」および「11月1日」の状況について、それぞれの日から「14日以内」に届け出る必要があります。


【届出が必要なケースと内容】
5月1日および11月1日の時点で受け入れている留学生について、以下の事項に「変更が生じた場合」にその内容を報告します。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 性別
  4. 国籍・地域
  5. 住居地
  6. 在留カード番号


【専門家からのアドバイス】
所属機関からの届出は、外国人本人が行う「契約機関に関する届出」や「活動機関に関する届出」とは別の手続きであり、受け入れ側である企業や学校の義務として設定されています。


この届出を適切に行っているかどうかが、企業として他の外国人を雇い入れる際の審査(企業の適格性)に影響を及ぼす場合もあります。


「届出のやり方がわからない」「対象になるかわからない」など、外国人の雇用管理や各種届出手続きでお困りの企業・学校のご担当者様は、ぜひ当事務所の行政書士までお気軽にご相談ください。






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