
帰国する外国人必見!年金の「脱退一時金」とは?
日本で働き、国民年金や厚生年金保険の保険料を納めていた外国人の方が、日本での生活を終えて母国へ帰国する場合、これまで支払った年金の一部を受け取ることができる制度があります。
それが「脱退一時金(だったいいちじきん)」です。
ここでは、脱退一時金を受け取るための条件や、請求の手続き方法、必要書類についてわかりやすく解説します。
外国人の方が日本の年金制度(国民年金・厚生年金保険)の被保険者資格を喪失し、日本に住所を持たなくなった(=帰国した)場合に、一定の要件を満たすことで、これまで納めた保険料に応じた一時金を請求できる制度です。
【※重要※ 請求の期限】
脱退一時金は、日本に住所を有しなくなった日(出国した日など)から「2年以内」に請求しなければなりません。2年を過ぎると受け取れなくなってしまいます。
【支給額の上限引き上げについて】
2021年(令和3年)4月より、脱退一時金の支給額を計算する際の上限月数が、従来の「36ヶ月(3年)」から「60ヶ月(5年)」に引き上げられました。これにより、より長く日本で働いていた方は、これまでよりも多くの脱退一時金を受け取れるようになっています。
請求手続きには、以下の書類を揃えて提出する必要があります。
書類が準備できたら、日本年金機構や共済組合などへ提出します。帰国後に海外から郵送で手続きすることも可能です。
【提出先】
【提出方法】
【提出時期】
【専門家からのアドバイス】
脱退一時金の請求は、帰国前の「転出届(住民票を抜く手続き)」を正しく行っていることや、帰国後の海外口座の証明書を正しく準備することがポイントとなります。

日本で働きながら国民年金や厚生年金保険の保険料を納めていた外国人の方が、日本での生活を終えて母国へ帰国する場合、これまで支払った年金の一部を受け取ることができる「脱退一時金(だったいいちじきん)」という制度があります。
ここでは、脱退一時金を受け取るための条件や、いくら戻ってくるのか(計算方法)、必要な手続きについてわかりやすく解説します。
脱退一時金を受け取るためには、以下のすべての要件を満たしている必要があります。
脱退一時金の金額は、あなたが年金を納めていた期間(月数)や、最後に保険料を納めた年度によって決まります。
【基本的な計算式(国民年金の場合)】
最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額 × 1/2 × 支給額計算に用いる数(納付した月数に応じた数)
支給額の上限が引き上げられました!
2021年(令和3年)4月より、計算のベースとなる月数の上限が「36ヶ月(3年)」から「60ヶ月(5年)」に引き上げられました。これにより、長く日本で働いた方は、より多くの脱退一時金を受け取れるようになりました。
【具体例】3年間(36ヶ月)国民年金を支払って帰国した場合
令和8年度(2026年度)の国民年金保険料は、1ヶ月あたり「17,920円」です。
国民年金に3年間加入していたが、帰国することになりました。
支払った国民年金はどうなるのでしょうか?
3年間国民年金に加入していたのですね。
支払った国民年金の半分が戻ってきますよ。
脱退一時金の支給額は「322,560円」になります。支払った総額のおよそ半分が戻ってくるイメージです。
脱退一時金の提出書類に不備がなければ請求書を提出してから、およそ4か月後に脱退一時金が支給されます。
日本を出国(転出)した後、2年以内に以下の書類を揃えて日本年金機構(または加入していた共済組合等)へ提出します。
【必要な書類】
【提出方法】
海外からの郵送、または電子申請にて提出します。
書類に不備がなければ、請求書を提出してからおおよそ4ヶ月後に、指定した口座へ脱退一時金が振り込まれます。
脱退一時金は「出国後2年以内」という厳しい期限があり、帰国後の海外から不備のない書類を郵送するのは意外と大変です。
最後に保険料を納付した月が2026年(令和8年)4月から2027年(令和9年)3月の場合
| 保険料納付済期間の月数 | 支給計算に用いる数 | 支給額(令和6年度) |
|---|---|---|
| 6月以上12月未満 | 6 | 53,760円 |
| 12月以上18月未満 | 12 | 107,520円 |
| 18月以上24月未満 | 18 | 161,280円 |
| 24月以上30月未満 | 24 | 215,040円 |
| 30月以上36月未満 | 30 | 268,800円 |
| 36月以上42月未満 | 36 | 322,560円 |
| 42月以上48月未満 | 42 | 376,320円 |
| 48月以上54月未満 | 48 | 430,080円 |
| 54月以上60月未満 | 54 | 483,840円 |
| 60月以上 | 60 | 537,600円 |
※上記の表は最後に保険料を納付した月が2026年(令和8年)4月から2027年(令和9年)3月の場合の場合です。

日本で会社員などとして働き、「厚生年金保険」に加入していた外国人の方が、日本での生活を終えて母国へ帰国する場合、これまで支払った厚生年金の一部を受け取ることができる「脱退一時金(だったいいちじきん)」という制度があります。
ここでは、厚生年金保険の脱退一時金を受け取るための条件や、いくら戻ってくるのかの目安(計算方法)、税金に関する注意点についてわかりやすく解説します。
厚生年金保険の脱退一時金を受け取るためには、以下のすべての要件を満たしている必要があります。
厚生年金の脱退一時金は、あなたが働いていた期間のお給料(平均標準報酬額)と、加入していた期間(月数)に基づいて計算されます。
【基本的な計算式】
脱退一時金 = ① 加入期間の平均月収 × ② 加入期間などに応じた「支給率」
※2021年4月より、計算のベースとなる上限月数が「36ヶ月(3年)」から「60ヶ月(5年)」に引き上げられ、より多くの一時金を受け取れるようになりました。
① 加入期間の平均月収(平均標準報酬額)
年金に加入していた全期間における「平均の月給(ボーナス含む)」のことです。
ただし、昔と今でルールが違うため、時期によって計算方法を分け、最後に合算して平均を出します。
2003年(平成15年)4月より前
2003年(平成15年)4月以降
② 加入期間などに応じた「支給率」
この率は、以下の2つの要素を掛け合わせて決まる数字です。
ベースとなる保険料率:
※最終的な率に小数点以下が出た場合は、四捨五入して計算されます。
【具体例】年収300万円で、3年間(36ヶ月)厚生年金に加入して帰国した場合
厚生年金に3年間加入していたが、帰国することになりました。
年収はおよそ300万円でした。
支払った厚生年金はどうなるのでしょうか?
3年間厚生年金に加入していたのですね。
年収が300万円ということで月額25万円なのでおよそ脱退一時金の支給額は「およそ825,000円」になります。
ただし、非居住者の場合は、脱退一時金の支給額に20.42%の税金がかかってしまいますので、支給額がおよそ65万円くらいになります。
不備がなければ請求書を提出してから、およそ4か月後に脱退一時金が支給されます。
年収300万円(月額およそ25万円)の場合、計算式に当てはめると、本来の脱退一時金の支給額は「およそ825,000円」となります。
国民年金の脱退一時金とは異なり、厚生年金保険の脱退一時金には「20.42%の所得税」が引かれます(源泉徴収されます)。
したがって、このケースで実際に手元に振り込まれる金額(手取り額)は、「およそ65万円」となります。
※なお、引かれた20.42%の税金は、帰国後に「退職所得の選択課税による還付申告(税務署への手続き)」を行うことで、後から取り戻すことが可能です。
日本を出国(転出)した後、2年以内に日本年金機構へ必要書類(請求書、パスポートのコピー、銀行の証明書など)を郵送または電子申請で提出します。
書類に不備がなければ、請求書を提出してからおおよそ4ヶ月後に、指定した海外の口座へ脱退一時金が支給(振り込み)されます。
最終月が2021年(令和3年)4月以降の場合
| 保険料納付済期間の月数 | 支給計算に用いる数 | 支給率 |
|---|---|---|
| 6月以上12月未満 | 6 | 0.5 |
| 12月以上18月未満 | 12 | 1.1 |
| 18月以上24月未満 | 18 | 1.6 |
| 24月以上30月未満 | 24 | 2.2 |
| 30月以上36月未満 | 30 | 2.7 |
| 36月以上42月未満 | 36 | 3.3 |
| 42月以上48月未満 | 42 | 3.8 |
| 48月以上54月未満 | 48 | 4.4 |
| 54月以上60月未満 | 54 | 4.9 |
| 60月以上 | 60 | 5.5 |
【専門家からのアドバイス】
厚生年金の脱退一時金は、国民年金と違って「20.42%の税金が引かれて振り込まれる」という大きな注意点があります。この引かれた税金を取り戻すためには、日本国内にいる人を「納税管理人」として指定し、税務署で還付手続きをしてもらう必要があります。
※個別、具体的な年金脱退一時金のご質問、ご相談は、お近くの社会保険労務士にお問い合わせください。