ビザと在留資格の違い

世間的にはビザと在留資格同じように扱われていますが、違います。ビザと在留資格の違いを説明します。

ビザと在留資格の違いとは

 

「ビザ(査証)」と「在留資格」は厳密には違うものですが、当事務所ではわかりやすく「ビザ(査証)」と「在留資格」を混同して表現しています。

 

ビザ・査証 (VISA)とは

ビザの担当は、外務省になります。

 

ビザ・査証(VISA)とは、在外公館(日本国大使館または総領事館の長)が、外国人の所持する旅券(パスポート)が真正であり、かつ、日本への入国に有効であることを確認するとともに、発給するビザ・査証(VISA)に記す条件の下において、その外国人の日本への入国及び滞在が適当であるとの判断をして「推薦状」としての役割があるものになります。

 

ビザ(査証)は、上陸審査を通過すれば、その役割も終わります。

 

「ビザ・査証(VISA)」を所持していることは、あくまでも入管法上の上陸のための要件の一つであり(推薦状のようなものなので)、日本に入国を保証するものではありません。

 

ビザ(査証)の有効期間は、基本的に発給日から3か月で、上陸審査を受けた時点で使用済みとされ、外国人の日本滞在の根拠は「上陸許可」となります。

 

ちなみに日本国内の出入国在留管理局が「ビザ(査証)」を発給することはありません。

 

ビザ(査証)の発給を拒否された者が、同一の目的で再申請をする場合、6か月以内は原則として受け付けられませんので注意が必要です。(査証通達)

 

在留資格 (Status of Residence)とは

在留資格の担当は法務省になります。

 

在留資格(Status of Residence)とは、入管法上、外国人が日本に入国・在留して行うことのできる活動またはその身分・地位を有する者としての活動を行うことができる資格を類型化(メニュー化)したものになります。

 

在留資格は、日本に入国し在留しようとする外国人について、その者の有する身分、地位や能力などによって在留を認めるのではなく、日本における在留活動により、その者に対する在留資格が決定されるのです。

 

すなわち、外国人の入国・在留が認められる場合は、入管法に定めるいずれかの在留資格が付与され、その在留資格ごとに定められた活動のみを行うことができる資格になります。法務省(出入国在留管理庁)が外国人に対する上陸審査・許可の際に付与する資格になります。

 

日本がどのような外国人を受け入れるかについて定めたもになります。

 

在留資格とは、外国人が日本に滞在する根拠となるものです。

 

通常、日本にいる外国人は何らかの在留資格を持っています。

 

在留資格は、就労系、非就労系、身分系に分かれており、29種類の在留資格があります。
実務上、在留資格のことを「ビザ」と呼んでいます。

 

ビザ(査証)と在留資格の違い

 

ビザと在留資格は、世間的には同じ意味で扱われていますが、厳密に言うと別物になります。

査証(VISA、ビザ) 在留資格
担当 外務省 法務省
申請先 在外公館 出入国在留管理局
意味 入国の推薦状の役割 日本に在留する資格

 

29種類のビザ(在留資格)

 

就労の可否 ビザ(在留資格) 具体的なビザの活動例
外交大使やその家族
公用 外国大使館の職員やその家族
教授 大学教授
芸術 作曲家、画家、著述家
宗教 宣教師
報道 記者、カメラマン
高度専門職 ポイント計算による高度人材
経営・管理 企業経営者、支店長、工場長
法律・会計業務 弁護士、公認会計士、税理士、行政書士
医療 医師、歯科医師、看護師
研究 研究者
教育 小中高学校の教師
技術・人文知識・国際業務 エンジニア、プログラマー、マーケティング、私企業の語学学校教師、翻訳通訳者
企業内転勤

外国の事業所からの転勤者

介護福祉士
俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手
外国料理のコック、パイロット、スポーツ指導者、ソムリエ
特定技能 労働者が不足している特定産業分野の労働者(建設業、産業機械製造業、介護、飲食業)
特定実習 技能実習生
× 文化活動 日本文化の研究者
× 観光者、会議参加者、親族訪問者
× 大学、専門学校、小中学校の学生
× 研修生
× 家族滞在 在留資格を有する者が扶養する配偶者・子・養子
特定活動 外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー、EPA看護師
永住者 法務大臣から許可を受けた者
日本人の配偶者等 日本人の配偶者・子・特別養子
永住者の配偶者等 永住者、特別永住者の配偶者および日本で生まれ引き続き在留する子
第三国定住難民、日系2世、3世、4世、中国残留孤児

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