
「留学」ビザは、日本の大学や各種学校などの教育機関において、教育を受ける(学ぶ)活動を行う外国人のために設けられた在留資格です。
留学生の受け入れは、日本と海外の相互理解や友好親善を深め、将来的な人的ネットワークの構築、日本企業の海外進出・貿易の促進、さらには少子高齢化社会における優秀なグローバル人材の確保につながるとして、国としても積極的に推進しています。
一方で、留学生の在籍管理が適正に行われず、不法就労者や不法残留者を多数発生させているような一部の教育機関(学校)からの申請に対しては、入管の審査が非常に厳格に行われています。
「留学」ビザをもって在留する外国人の人数
近年、日本で学ぶ留学生の数は着実に増加しています。
| VISA | 2022年12月末 | 2023年12月末 | 2024年12月末 | 2025年12月末 |
|---|---|---|---|---|
| 留学 | 300,638人 | 340,883人 | 402,134人 | 464,784人 |
「留学」ビザの対象となるのは、主に以下の教育機関で学ぶ学生・生徒です。(※専門学校や日本語教育機関なども含まれます)
「留学」ビザはあくまで「学ぶこと」を目的としたビザであるため、原則として働くことはできません。ただし、留学中の生活費や学費を補う目的でアルバイトをする場合は、事前に入国管理局から「資格外活動許可」を受けることで就労が可能になります。
アルバイトを行うにあたっては、以下の厳格な時間制限(ルール)を守る必要があります。
【要注意】高校生以下のアルバイトについて
「高等学校」「中学校」「小学校」などで教育を受ける生徒・児童については、年齢や学業への影響を考慮するとアルバイト(資格外活動許可)は本来馴染まないものとされています。そのため、申請しても個別事情が厳しく聴取され、極めて慎重に審査されます。
在留期間について
「留学」ビザで許可される在留期間は、入学する学校の修業年限や学習計画に応じて、法務大臣が個別に指定します。

「留学」ビザを取得するための第一歩は、入管法が定める「在留資格該当性」を満たすことです。これは、「日本で行う活動が、法律上の『留学』ビザの対象に当てはまっているか」という条件のことです。
入管法では、このビザで認められる活動を次のように規定しています。
本邦の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部、小学校若しくは特別支援学校の小学部、専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動
【入管法別表第1の4の表の「留学」の項の下欄】
わかりやすく言うと、以下の教育機関で「教育を受ける活動(学ぶこと)」が対象となります。
「留学」ビザは、単に日本の学校から入学許可をもらい、籍を置くだけでは許可されません。入管の審査において、申請人本人に「真面目に勉学に取り組む意思」と「授業についていける能力」があることを客観的に証明する必要があります。
そのための重要な証明要素となるのが、「学歴」と「一定の日本語能力」の2点です。
過去に十分な教育を受けてきているかが審査されます。(※母国の大学をすでに卒業している方の場合は、特段の疑わしい事情がない限り「勉学の意思と能力がある」と高く評価されます。)
学歴や学習意欲を立証するため、必要に応じて以下の書類を提出します。
日本での授業を理解し、日常生活を自立して送るためには、進学先の教育機関のレベルに応じた日本語能力が不可欠です。能力不足は、不法就労目的(出稼ぎ目的)を疑われる原因にもなります。
能力を立証するため、以下の書類を提出します。
【求められるレベルの目安】
入学する学校によって基準は異なります。例えば、専門学校の専門課程に入学する場合は「日本語能力試験N2相当以上」が求められることが多く、日本語学校(告示校)に入学する場合であっても、最低限の基礎レベルとして「A1レベル相当以上」の日本語能力が求められるケースがあります。

「留学」ビザを取得するためには、対象となる教育機関で学ぶこと(在留資格該当性)に加えて、入管法で定められた「上陸許可基準」を満たす必要があります。
「留学」ビザの審査基準(上陸許可基準適合性)は、以下のように入管法の基準省令に定義されています。
(1号) 申請人が次のいずれかに該当していること。
- イ 申請人が本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、高等専門学校又は専修学校の専門課程に入学して教育を受けること(専ら日本語教育(日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和五年法律第41号。以下「日本語教育機関認定法」という。)第1条に規定する日本語教育をいう。以下この項において同じ。)を受ける場合又は専ら夜間通学して若しくは通信により教育を受ける場合を除く。)。
- ロ 申請人が本邦の大学に入学して、当該大学の夜間において授業を行う大学院の研究科において専ら夜間通学して教育を受けること。
- ハ 申請人が本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、高等専門学校若しくは専修学校の専門課程に入学して専ら日本語教育を受けること又は高等学校(定時制を除き、中等教育学校の後期課程を含む。以下この項において同じ。)若しくは特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。以下この項において同じ。)若しくは特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む。以下この項において同じ。)若しくは特別支援学校の小学部、専修学校の高等課程若しくは一般課程若しくは各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関に入学して教育を受けること(専ら夜間通学して又は通信により教育を受ける場合を除く。)。
(2号) 申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有すること。ただし、申請人以外の者が申請人の生活費用を支弁する場合は、この限りでない。
(2号の2) 申請人が教育を受けようとする教育機関が、当該教育機関において教育を受ける外国人の出席状況、法第19条第1項の規定の遵守状況、学習の状況等を適正に管理する体制を整備していること。
(3号) 申請人が専ら聴講による教育を受ける研究生又は聴講生として教育を受ける場合は、(1号)イ又はロに該当し、当該教育を受ける教育機関が行う入学選考に基づいて入学の許可を受け、かつ、当該教育機関において1週間につき10時間以上聴講をすること。
(4号) 申請人が高等学校において教育を受けようとする場合は、年齢が20歳以下であり、かつ、教育機関において1年以上の日本語教育又は日本語による教育を受けていること。ただし、我が国の国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人、国立大学法人、学校法人、公益社団法人又は公益財団法人の策定した学生交換計画その他これに準ずる国際交流計画に基づき生徒として受け入れられて教育を受けようとする場合は、この限りでない。
(4号の2) 申請人が中学校若しくは特別支援学校の中学部又は小学校若しくは特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合は、次のいずれにも該当していること。ただし、我が国の国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人、国立大学法人、学校法人、公益社団法人又は公益財団法人の策定した学生交換計画その他これに準ずる国際交流計画に基づき生徒又は児童として受け入れられて教育を受けようとする場合は、イ及びロに該当することを要しない。
- イ 申請人が中学校において教育を受けようとする場合は、年齢が17歳以下であること。
- ロ 申請人が小学校において教育を受けようとする場合は、年齢が14歳以下であること。
- ハ 本邦において申請人を監護する者がいること。
- ニ 申請人が教育を受けようとする教育機関に外国人生徒又は児童の生活の指導を担当する常勤の職員が置かれていること。
- ホ 常駐の職員が置かれている寄宿舎その他の申請人が日常生活を支障なく営むことができる宿泊施設が確保されていること。
(5号) 申請人が専修学校又は各種学校において教育を受けようとする場合(専ら日本語教育を受けようとする場合を除く。)は、次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が外国から相当数の外国人を入学させて初等教育又は中等教育を外国語により施すことを目的として設立された教育機関において教育を受ける活動に従事する場合は、イに該当することを要しない。
- イ 申請人が外国人に対する日本語教育を行う教育機関で法務大臣が文部科学大臣の意見を聴いて告示をもって定めるもの(以下この項において「告示日本語教育機関」という。)若しくは認定日本語教育機関(日本語教育機関認定法第3条第1項に規定する認定日本語教育機関をいう。)に置かれた留学のための課程(認定日本語教育機関認定基準(令和五年文部科学省令第40号)第2条第1項に規定する留学のための課程をいう。以下この項において同じ。)において1年以上の日本語教育を受けた者、専修学校若しくは各種学校において教育を受けるに足りる日本語能力を試験により証明された者又は学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けた者であること。
- ロ 申請人が教育を受けようとする教育機関に外国人学生の生活の指導を担当する常勤の職員が置かれていること。
(6号) 申請人が本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、高等専門学校、専修学校、各種学校又は設備及び編制に関して各種学校に準ずる教育機関において専ら日本語教育を受けようとする場合は、当該教育機関が告示日本語教育機関又は認定日本語教育機関であること(当該教育機関が認定日本語教育機関である場合にあっては、留学のための課程において日本語教育を受けるものに限る。)。
(7号) 削除
(8号) 申請人が設備及び編制に関して各種学校に準ずる教育機関において教育を受けようとする場合(専ら日本語教育を受けようとする場合を除く。)は、当該教育機関が法務大臣が告示をもって定めるものであること。
【上陸基準省令の「留学」の項の下欄】
この基準は、すべての留学生に共通して求められる要件(学費・生活費の証明など)と、入学する学校の種類(大学、専門学校、高校、中学校など)ごとに細かく分かれた要件から成り立っています。
審査において最も厳しくチェックされるのが、以下の「経費支弁能力」と「学校の在籍管理能力」です。
【日本での学費や生活費を安定して支払えること】
留学期間中の生活費や学費を支払うための「十分な資産・奨学金等の手段」があることが求められます。
【受け入れ先の学校が、留学生を適正に管理できる体制にあること】
留学生本人の問題ではなく、教育機関(学校)側の要件です。留学生の出席状況や資格外活動(アルバイト時間)の状況を適切に把握し、トラブル防止のための生活指導が行える体制が整っていることが求められます。
入学する教育機関のレベルや種類に応じて、追加で以下の要件を満たす必要があります。
専門的な教育を受けるため、授業を理解するのに十分な日本語能力等が求められます。以下のいずれかを満たす必要があります。
入学する日本語学校等の教育機関が、法務大臣が告示をもって定めた学校(告示校)、または認定日本語教育機関であることが必須要件となります。
原則として、「年齢が20歳以下」であり、教育機関で「1年以上の日本語教育(または日本語による教育)」を受けていることが必要です。
(※国や公益法人等が策定した「学生交換計画等の国際交流計画」に基づく交換留学生などの場合は、この年齢・日本語要件は免除されます。)
年齢要件と、日本での生活をサポートする体制が厳格に求められます。
「留学」ビザを申請するために必要な書類は留学ビザの必要書類に記載しています。
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