在留資格「日本人の配偶者等」 (Spouse of Japanese national, etc. Visa)「日本人の配偶者等」ビザとは「日本人の配偶者等」ビザは、日本人と結婚した外国人(夫・妻)や、日本人の実子、特別養子が、日本で一緒に生活するために取得する在留資格です。一般的には「結婚ビザ」や「配偶者ビザ」と呼ばれています。国際結婚のお相手は、中国、韓国、フィリピンの方が多い傾向にありますが、近年はさまざまな国籍の方と結婚してこのビザを取得するケースが増加しています。「日本人の配偶者等」ビザをもって在留する外国人の人数VISA2022年12月2023年12月2024年12月2025年12月日本人の配偶者118,656人122,098人124,952人127,773人日本人の子26,337人26,379人25,944人25,125人最重要ポイント:結婚とビザ審査は「車の両輪」多くの方が誤解されがちですが、「役所に婚姻届を出して法律上結婚した」というだけでは、このビザは取得できません。「市役所などでの婚姻の手続き」と「出入国在留管理局でのビザの審査」は、まったく別の基準で行われる車の両輪の関係にあります。「日本人の配偶者等」ビザは、就労ビザのような職種や労働時間の制限がないため、不法就労を目的とした「偽装結婚」に悪用されやすいという実態があります。そのため入管の審査では、「本当に愛情に基づいて同居し、夫婦として生活を共にする真実の結婚なのか?」が非常に慎重かつ厳格に審査されます。交際の経緯や生活の実態を証明する資料を、しっかりと準備して申請に臨む必要があります。就労制限なし=「活動が無制限」ではないことに注意「日本人の配偶者等」ビザを取得すると、就労制限がなくなり、日本人と同じようにどんな仕事にでも就くことができます(アルバイト、会社員、会社経営など)。そのため「日本での活動範囲に制限はない」と言われることがありますが、これは正確ではありません。入管法では、あくまで「日本人の配偶者(または実子・特別養子)という身分・地位を有する者としての活動」のみが認められています。離婚や死別をした場合婚姻関係が終了し、夫婦としての共同生活(実態)がなくなれば、現在のビザのままで日本に在留し続けることはできません。別居状態が続いている場合正当な理由なく同居・相互扶助の生活を行っていない場合、配偶者としての活動を逸脱しているとみなされ、ビザの取消し対象になるリスクがあります。対象となる方の具体例と在留期間対象となる具体例日本人の方の夫または妻日本人の実子(※外国で生まれた子どもなど)日本人の特別養子(※普通養子は含まれません)(※このビザは身分・地位に基づくものであるため、学歴や職歴を問う「上陸許可基準」は設けられていません。)在留期間について「日本人の配偶者等」ビザで許可される在留期間は、結婚歴や日本での生活の安定性などに応じて以下のいずれかが決定されます。5年、3年、1年、6ヶ月「日本人の配偶者等」ビザと「家族滞在」ビザの違い在留資格就労制限扶養される義務日本人の配偶者等ないない家族滞在あるある外国人の方がご家族として日本に在留するためのビザとして、「日本人の配偶者等」ビザ(いわゆる結婚ビザ)と「家族滞在」ビザがありますが、この2つには「扶養の必要性」と「就労の自由度」において決定的な違いがあります。1. 「扶養を受ける必要」がない「家族滞在」ビザは、就労ビザ等で働くメインの外国人(扶養者)から「経済的に扶養を受けて生活すること」が大前提となるビザです。そのため、審査では扶養者の収入や資金力が厳しく問われます。一方、「日本人の配偶者等」ビザは、日本人と結婚して夫婦として共同生活を送るためのビザです。そのため、「家族滞在」ビザとは異なり、必ずしも日本人配偶者の扶養を受ける(養ってもらう)必要はありません。 共働きであったり、外国人配偶者の方がメインで家計を支えたりするケースでも問題なく認められます。2. 就労制限がなく、自由に働ける「家族滞在」ビザで滞在する方がアルバイトやパートをする場合、事前に入国管理局から「資格外活動許可」を取得した上で、「週に28時間以内」という厳格な時間制限を守る必要があります。一方、「日本人の配偶者等」ビザには、職種や労働時間に関する就労制限が一切ありません。日本人と同じように、正社員としてフルタイムで働くことも、会社を設立して経営者になることも自由にできます。したがって、外国人配偶者の方が、日本人配偶者よりも多くの収入を得て家計を支えたとしても、ビザの審査上まったく問題ありません。日本人の配偶者等の在留資格該当性「日本人の配偶者等」ビザを取得するための第一歩は、入管法が定める「在留資格該当性」を満たすことです。入管法別表第2の「日本人の配偶者等」の項の下欄は、日本において有する身分又は地位について、以下のとおり規定しています。日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者【入管法別表第2の「日本人の配偶者等」の項の下欄】これは、「日本で行おうとする活動が、法律上の『日本人の配偶者等』ビザの対象に当てはまっているか」という条件のことです。入管法では、以下の3つの身分のいずれかを有していることが定められています。「日本人の配偶者等」ビザに該当する活動とは「日本人の配偶者等」ビザに該当する活動は、次の①~③の身分を有する者としての活動が該当します。①日本人の「配偶者」であること(※最も多いケース)このビザにおける「配偶者」として認められるためには、以下の2つの厳しい条件を両方クリアする必要があります。【条件1:法律婚であること】双方の国籍国(日本と外国人の母国)の法律において、法的に有効な婚姻が成立している必要があります。対象外となるケース:内縁関係(事実婚)、死別・離別(離婚)した元配偶者。同性婚について:外国で有効に成立した同性婚であっても、現在の日本では同性婚が法律上認められていないため、このビザの対象にはなりません。(※特別な事情により「特定活動(告示外)」ビザが認められる場合はあります。)【条件2:婚姻に「実体」があること(偽装結婚対策)】「両性が永続的な精神的および肉体的結合を目的として真摯な意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係を有する者として本邦において活動しようとすることに基づくもの」と解されています。「役所に婚姻届を出した」という法律上の手続きだけでは不十分です。入管審査では、就労制限のないこのビザを狙った「偽装結婚」を防ぐため、「夫婦として社会通念上の共同生活を営んでいるか(婚姻の実体)」が極めて厳しく審査されます。実体の証明ポイント:原則としての「同居」、家計を共にしていること、夫婦としての協力・扶助関係があることなど。合理的な理由(単身赴任など)がなく別居している場合、婚姻の実体がないとみなされ、ビザの取得や更新は認められません。法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって社会通念上の夫婦の共同生活を営むという婚姻の実体を伴っていない場合は、日本人の配偶者としての活動を行うものとはいえず、「日本人の配偶者等ビザ」の在留資格該当性は認められません。社会通念上の夫婦の共同生活を営むといえるためには、合理的な理由がない限り、同居して生活していることが必要です。入管の審査において「偽装結婚ではないのかどうか」等、慎重に検討されます。法律上の婚姻関係だけではなく、婚姻が実体を伴うものであることについて、次のような提出資料等により審査されます。戸籍謄本住民票納税証明書身元保証書質問書(認定・変更用)交際・交流に関する立証資料(写真、通話記録、Line、WeChat、メール等)外国の機関が発行する婚姻証明書提出資料の追加請求実態調査同居・協カ・扶助の活動が行われなくなっている場合(※例外:関係が悪化して別居状態になった場合)「婚姻関係が冷却化し、同居・相互の協力扶助の活動が事実上行われなくなってい る場合であっても、未だその状態が固定化しておらず、当該外国人が日本人配偶者との婚姻関係を修復・維持し得る可能性があるなど、婚姻関係が実体を失い形骸化して いるとまでは認めることができない段階においては、なお、社会通念上、同居・協力扶助を中核とする婚姻関係に付随する日本人の配偶者としての活動を行う余地があるものというべきであるから、当該外国人に「日本人の配偶者等」の在留資格該当性を肯定するのが相当である。」【平成 8 年 5 月 3 0 日東京高等裁判所判決】もし、同居・協カ・扶助の活動が行われなくなっている場合でも、婚姻関係を修復する可能性がある場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格該当性が否定されるものではないので、引き続き、「日本人の配偶者等」にて期間更新ができる可能性が十分にあります。参照:「配偶者」ビザ離婚した場合夫婦関係が冷却化し、一時的に別居状態になったとしても、「関係を修復する可能性」が残されており、婚姻が完全に破綻(形骸化)したとまでは言えない段階であれば、引き続きビザの更新が認められる余地があります。(※平成8年の東京高裁の判決に基づきます。)②日本人の「子として出生した者」であること日本人の実子であれば、このビザの対象となります。日本人の実子嫡出子のほか、認知された嫡出でない子が含まれます。※なお養子は含まれません。出生の時に父又は母のいずれか一方が日本国籍を有していた場合本人の出生前に父が死亡し、かつ、その父が死亡のときに日本国籍を有していた場合「子」に「養子」が含まれるかどうか養子は、子に含まれません。ただし、6歳未満の養子は、「定住者」が許可される場合があります。また日本人の孫(日系3世)は、「定住者(告示3号または4号)」に認められる場合があります。「家族滞在」ビザの場合は、6歳以上の養子も「子」に含まれます。「日本人の配偶者等」ビザの場合は、特別養子に限り「子」に含まれます。「定住者」(告示7号)ビザの場合は、6歳未満の養子しか「子」に含まれません。子として生まれた場所は問いません。日本で生まれようが、海外で生まれようが、「日本人の配偶者等」ビザの在留資格該当性は認められます。日本人の実子をいい嫡出子、非嫡出子は問いません。本人の出生後にその父又は母が日本国籍を取得しても、そのことにより当該外国人が「日本人の子として出生した者」にはなりません。本人の出生後父又は母が日本国籍を離脱した場合も、日本人の子として出生したという事実に影響を与えるものではありません。「日本人の子として出生した者」には、「日本で出生したこと」が要件とされていませんので、外国で出生した者でも「日本人の子として出生した者」に含まれます。③日本人の「特別養子」であること家庭裁判所の審判により成立し、生みの親との関係を完全に断ち切って養父母との間に実子と同じ関係を成立させる「特別養子」に限り、このビザの対象となります。普通養子は該当しませんが、特別養子は該当します。特別養子の身分を有する者とは、実方の血族と親族関係が終了することことです。特別養子の縁組は、審判請求時に15歳未満であり、審判確定時に18歳未満である必要があります。特別養子縁組は、民法第817条の2第1項の規定に基づいて家庭裁判所の審判により成立し、生みの親との身分関係を切り離し、養父母との間に実の子とほぼ同様な関係が成立します。特別養子縁組及びその離縁に関する事項については、養親の戸籍の身分事項欄に記載されます。【参考】養子に関する他のビザとの違い外国人のお子様を養子にする場合、どのビザが該当するかは制度によって細かく分かれています。「日本人の配偶者等」ビザ:特別養子のみが対象。「定住者(告示7号)」ビザ:日本人の配偶者等の扶養を受ける6歳未満の養子が対象。「家族滞在」ビザ:就労ビザ等を持つ親の扶養を受ける場合、6歳以上の養子も対象。「短期滞在」から「日本人の配偶者等」ビザへ変更できる?「短期滞在(観光や親族訪問など)」ビザで来日している間に、日本の役所で婚姻手続きを完了させ、そのまま母国へ帰国せずに「日本人の配偶者等」ビザへ変更することは、条件付きで可能です。ただし、入管法(出入国管理及び難民認定法)により、短期滞在からのビザ変更は原則として禁止されており、例外として「やむを得ない特別の事情」がある場合にのみ許可されるという厳しいルールになっています。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。【在留資格の変更(入管法第20条3項但し書き)】「やむを得ない特別の事情」とは何か?本来、結婚ビザを取得するには、「一度母国へ帰国し、日本から在留資格認定証明書(COE)を郵送して、現地の日本大使館等でビザを発給してもらう」という厳格な事前審査ルートを通るのが大原則です。入管の審査要領等において「何が特別の事情にあたるか」の明確な基準リストは公表されていません。そのため、申請にあたっては、「なぜ原則通りにいったん帰国してCOEの交付申請を行うのが困難なのか(日本国内で変更しなければならない理由)」を、客観的に説明・証明する必要があります。実務上「特別の事情」として認められやすい3つのケース具体的には、以下のような事情があり、それを文書できちんと説明できた場合は、例外的な変更が認められる傾向にあります。1.滞在中に「在留資格認定証明書(COE)」が交付された場合あらかじめ「日本人の配偶者等」のCOE交付申請を行っており、短期滞在で来日している間にそのCOEが無事に交付されたケース。(※すでに厳しい審査を通過しているため、わざわざ海外の大使館に行かせるのは負担が大きすぎると判断されます。)2. 妊娠・出産など人道上の配慮が必要な場合外国人配偶者が妊娠中であり、長時間の飛行機移動や環境の変化が母体に悪影響を及ぼすリスクがある場合など。3. すでに夫婦の共同生活(実体)がスタートしている場合結婚手続きが完了し、すでに日本で夫婦としての新生活を始めている状況において、ビザの手続きだけのために外国人配偶者を帰国させ、夫婦を長期間離れ離れにさせるのは酷であると判断されるケース。(※ただし、短期滞在の在留期限内に十分な準備をして申請できることが前提となります。)参照:「短期滞在」から変更「日本人の配偶者等」ビザを申請するために必要な書類は日本人の配偶者等ビザの必要書類に記載しています。当事務所では、これらの複雑な基準をお客様にわかりやすくご説明し、現在の状況を正確に診断した上で、安心できるビザ申請(在留手続き)をサポートしております。ご不安な点があれば、ぜひ一度ご相談ください。お問合せフォーム当事務所は、あなたのビザ申請を全力でサポートいたします。メッセージは24時間いつでも送信して大丈夫です。03-5937-0958営業時間:月〜土 10:00〜19:00(日・祝休み)当事務所は、あなたのビザ申請を全力でサポートいたします。









