在留資格「経営・管理」 (Business Manager Visa)「経営・管理ビザ」とは「経営・管理ビザ」を持った在留外国人の人数2022年12月2023年12月経営・管理ビザ31,808人37,510人経営・管理ビザは、外国人が会社事業の経営や管理業務に従事することができるようにするために設けられた在留資格です。経営・管理ビザは、日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動になります。経営・管理ビザのおおまかなイメージは経営者(本邦の事業を経営する者)管理者(本邦で経営する事業の管理に従事する者)になります。具体的には、代表取締役社長取締役監査役工場長支店長比較的大きな会社の部長などです。経営・管理ビザの在留期間は、5年、3年、1年、6月、4月又は3月のいずれかになります。「経営・管理ビザ」を申請するために必要な書類は経営・管理ビザの必要書類に記載しています。今までは「投資・経営」という名称でしたが、平成2 6年の法改正により「経営・管理」という名称に改められました。「投資・経営」の在留資格は、「経営・管理」の在留資格と異なり、外国人が日本に投資していることを前提とするものでした。 平成2 6年の法改正により外国人または外国法人が現に投資しているだけでなく、日本人若しくは日本法人のみが投資しているものであっても良いようになりました。経営・管理の在留資格該当性「経営・管理ビザ」に定められた活動に該当することを「在留資格該当性」といいます。まず「経営・管理ビザ」を取得するためには、在留資格該当性を満たさないとなりません。入管法の別表第1の2の表の項の下欄は、本邦において行うことができる活動を以下のとおり規定しています。【入管法別表第1の2の表の経営・管理の項の下欄】本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うごとができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)経営・管理の在留資格に該当する活動とは具体的にどういった内容なのか?外国人が事業をする場合、単に役員に就任しても、実質的に経営または管理に参画する活動をしなければ、「経営・管理」の在留資格に該当しません。実質的に外国人が次の活動に参画する必要があります。事業の運営に関する重要事項の決定事業の執行監査の業務役員に就任しているだけでは、「経営・管理ビザ」の在留資格に該当するものとはいえません。審査要領には次のように類型化しています。日本において事業の経営を開始してその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動日本において既に営まれている事業に参画してその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動日本において事業の経営を行っている者(法人を含む。)に代わってその経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動「本邦において貿易その他の事業の経営を行い」とは日本において活動の基盤となる事務所等を開設し、 貿易その他の事業の経営を開始して経営を行うこと日本において既に営まれている貿易その他の事業の経営に参画すること日本において貿易その他の事業の経営を開始した者若しくは日本におけるこれらの事業の経営を行っている者に代わってその経営を行うこと日本において適法であれば、事業の業種に貿易会社、飲食店、中古自動車販売店、不動産業等制限はありません。事業の経営をしなければならず、多額の資金を投資をすれば、経営・管理ビザが得られるということはありません。日本には投資ビザはないのです。事業の経営に従事する活動には、事業の運営に関する重要事項の決定業務の執行監査の業務等に従事する代表取締役、取締役、監査役等の役員としての活動があげられます。ちなみに「貿易」とありますが、これは例示になります。「当該事業の管理に従事する」とは「当該事業の管理に従事する」とは日本において経営を開始してその経営を行っている事業又は経営に参画している事業の管理に従事すること日本において貿易その他の事業の経営を開始した者もしくは日本におけるこれらの事業の経営を行っている者に代わって当該事業の管理に従事することをいいます。事業の管理に従事する活動には、事業の管理の業務に従事する部長工場長支店長等の管理者としての活動が該当します。外国人が経営・管理の業務に実質的に参画し、又は従事するものでなければなりません。「経営・管理」のビザが欲しいあまり、名ばかりのなんちゃって経営は許されないということです。外国人が継続的・安定的に経営・管理ができるようでなければなりません。公的義務を適切に履行していることが求められます。国税、地方税、健康保険等を適切に納付していることが必要です。経営等に関する会議、連絡業務等で短期来日する場合申請する外国人が日本法人の経営者に就任し、かつ日本法人から報酬が支払われる場合は、経営等に関する会議、連絡業務等で短期間来日するときでは「短期滞在」ビザでの来日はできません。「経営・管理」ビザになりますので注意が必要です。経営・管理の要件(上陸許可基準適合性)上陸許可基準とは、在留資格該当性があると考えられる外国人が、ビザ申請の際に、満たしていなければならない要件(基準)であり、基準に適合しているかどうかを意味します。審査基準(上陸許可基準適合性)は、入管法の基準省令には以下のように定義されています。【上陸基準省令の経営・管理の項の下欄】第1号申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。 ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業として使用する施設が本邦に確保されていること。第2号申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。イ、その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する2人以上の常勤の職員(法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるも のであること。ロ、資本金の額又は出資の総額が500万円以上であること。ハ、イ又は口に準ずる規模であると認められるものであること。第3号申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。上陸許可基準に適合するとは事業所の確保が必要(第1号)外国人が経営し又は管理に従事する事業が、日本国内に事業所を確保して営まれるものであることを要件としており、次の両方を満たしていることが必要になります。経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること財貨及びサービスの生産又は提供が、人及び設備を有して、 継続的に行われていることすなわち、確保する必要がある事業所とは事務所営業所商店飲食店工場製作所娯楽場学校病院役所農家等をいいます。「事業所」の確保のポイント月単位の短期間賃貸スペース等を利用したり、容易に処分可能な屋台等の施設を利用したりする場合には、それを合理的とする特別の事情がない限り 「事業所の確保・存在」の要件に適合しているとは認められません。事業所は、賃貸物件が一般的でありますが、賃貸借契約書において、その使用目的が「事業用」「店舗」「事務所」等と記載がないと認められません。もし使用目的が、「居住用」となっている場合、不許可となる可能性があります。住所及び雷話番号等を借り受け、電話にはオペレーターが対応し、郵便物を転送するなど、いわゆる「バーチャルオフィス」等は、事業所として認められませんので注意が必要です。レンタルオフィスの場合、個室となっていて、独立性が確保されていなければ許可がされません。簡単なパーティーションのみの区切りである場合には独立性が認められません。自宅の一部を事業所として利用する場合住居目的以外での使用を貸主が認めていること借主も当該法人が事業所として使用することを認めていること事業用として占有できる部屋が確保されていること公共料金の支払いが個人と区別ができること看板等標識を掲げていることが求められます。事業の規模に基準があります(第2号)第2号は、外国人が経営又は管理に従事する事業の「規模」について定めたものであり、人数要件、資本要件のいずれかに該当することが必要です。人数要件(第2号イ)経営又は管理に従事する外国人以外に、下記の日本に住んでいる常勤の職員が2名以上必要です。日本人日本人の配偶者特別永住者永住者永住者の配偶者定住者資本要件(第2号口)事業が会社形態で営まれる場合を前提とする規定であり、株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社又は合同会社の出資の総額が500万円以上が必要です。実質的な資本金または出資の存在が必要です。いわゆる「見せ金」でないことが求められます。また出資したお金は、外国人または外国法人が現に投資している場合、もしくは日本人または日本法人のみが投資している場合も認められます。人数要件や資本要件のいずれにも該当しない場合(第2号ハ)人数要件または資本要件に準ずる規模であることを要件としています。管理者基準の内容(第3号)第3号は、外国人が事業の管理に従事する場合に適用される基準を定めています。3年以上の事業の経営又は管理の実務経験を有すること日本人と同等額以上の報酬を受けて事業の管理に従事すること両方の要件が必要です。「経営・管理」のポイント日本国内において適法に行われる経営・管理であれば、その活動の業種に制限はありません。例えば、風俗営業店、飲食店、中華料理店、インド料理店、タイ料理店、リサイクル販売業など制限がありません。出資したお金の出所は?外国人または外国法人が現に投資しているもののみでなく、日本人若しくは日本法人のみが投資しているものであってもよい。経営・管理ビザを取得した外国人が注意すべきこと経営・管理業務に従事する活動をしつつ、臨時的に現業に従事することは、「経営・管理」の在留資格の活動に含まれますが、日常的に現業に従事するものと認められる場合は、「経営・管理」の在留資格に該当しません。非営利を目的とした事業「経営・管理」における事業は、営利を目的としないものであっても、外国又は外国の地方公共団体(地方政府を含む)の機関の事業として行われる場合であっても問題ありません。共同で事業を起こした2名の外国人が、他に従業員がいない状況で、2名とも役員に就任するような場合は、それぞれの外国人が従事しようとする具体的な活動の内容から総合的に審査されます。2名の外国人が共同で事業をする場合2名の外国人が共同で事業をする場合、両名が役員に就任しても、実質的に2名が経営または管理に参画する活動をしなければ、「経営・管理ビザ」に該当しません。実質的に2名の外国人が次の活動に参画する必要があります。複数の者が事業の経営又は管理に従事している場合には、それだけの人数の者が事業の経営又は管理に従事することが必要とされる程度の事業規模、 業務量、売上、従業員数等がなければならず、これらから総合的に判断をします。よくある質問Q&AQ 「経営・管理ビザ」の事業の規模要件は次のいずれかに該当することとされていますが、❸の「準ずる規模」とは具体的に何ですか?「経営・管理ビザ」の事業の規模要件は次のいずれかに該当する必要があります。その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤職員が従事して営まれるものであること資本金の額又は出資の総額が500万円以上であることこれらに準ずる規模であると認められるものであること「準ずる規模」とは、事業の規模が実質的に❶又は❷と同等な規模が必要です。❶に準ずる規模とは、例えると、常勤職員1人しか従事していないような場合に、もう一人を従事させるのに要する費用(おおよそ250万円程度)を投下して営まれているような事業の規模が必要です。❷に準ずる規模とは、例えば、外国人が個人事業の形態で事業を開始しようとする場合に、500万円以上を投資して営まれているような事業の規模がこれに当たります。この場合の500万円の投資とは、当該事業を営むのに必要なものとして投下されている総額であり、例えば事業所の確保や雇用する職員の給与等、その他事務機器の購入経費等の目的で投下されているものがこれに当たります。Q 「経営・管理ビザ」の在留資格認定証明書交付申請を行うことができる代理人は?入国しようとする外国人が勤務する日本の事業所の職員の方が申請できます。また会社を設立する場合は、会社設立について委託を受けている方が申請できます。Q 友人と共同経営したいのですが、2人とも「経営・管理」ビザの取得ができますか?事業の規模や業務量などから判断して、2人とも事業の経営をする合理的な理由がないと難しいです。また二人の役割分担が明確かどうか。そして二人とも相当の報酬の支払いを受けるかどうかの要件を満たす必要があります。Q 事業所の要件で、コワーキングスペースやバーチャルオフィスは認められますか?認められないです。Q 自宅兼オフィスや屋台は事業所要件で認められますか?自宅兼オフィスですが、出入口が、住宅用と事務所用に別々にあれば、要件を満たします。しかし、入口が一つで独立した事業所のスペースが存在しない、事実上自宅だけの場合は、認められません。また屋台も事業所が移動するので、要件を満たしません。Q レンタルオフィスは事業所要件で認められますか?個室となっていて、独立性があるのであれば、認められます。Q 日本に投資をして「経営・管理」ビザを取得したいのですが、可能ですか?残念ながら「経営・管理ビザ」の取得はできません。諸外国のような多額な資産を投資(不動産購入等)をしてビザがもらえる制度は、日本にありません。「経営・管理ビザ」は、文字通り、実質的に経営をするまたは管理をする必要があります。ワンツーコール行政書士事務所新宿区高田馬場にて外国人のビザ・帰化申請相談オフィスを運営しているワンツーコール行政書士事務所の事務所概要です。外国人のビザ・帰化申請の相談ならワンツーコール行政書士事務所にお任せください。お問合せフォームお問合せはこちらから できるだけ早く対応します。