
「在留特別許可」とは、外国人が退去強制対象者に該当する場合であっても、外国人からの申請又は職権により在留することを特別に許可し、非正規滞在者を正規滞在者にする措置です。
「在留特別許可」は、本来、日本から退去される外国人に対して、法務大臣が例外的・恩恵的に在留を許可する措置になります。
「在留特別許可」の可否は、法務大臣の極めて広範な裁量に委ねられています。
よって「在留特別許可」をするかどうかについては、個々の事案ごとに諸般の事情を総合的に考慮した上で判断されます(在留特別許可に係るガイドライン)。
次のいずれかに該当するときは、在留を特別に許可できるとされています。
しかし、上記に該当する場合でも、外国人の方が下記に該当する場合は、「在留特別許可」をしないことが人道上の配慮に欠けると認められる「特別の事情」がない限り、在留特別許可はされません。
例えば、退去強制対象者である外国人が、日本で疾病の治療を受けている者で、相当期間日本で治療を受けなければ、生命に危険が及ぶ具体的なおそれがあることなど、在留を許可しないことが人道的見地から酷に過ぎると認められる事情をいいます。

「在留特別許可」をするか否かは、次のようなことが考慮されるガイドラインにより明示されました。
上記にある考慮事情によって、積極要素及び消極要素を総合的に判断されます。
したがって積極要素として考慮すべき事情が消極要素として考慮すべき事情を明らかに上回る場合には、「在留特別許可」になる可能性が大きくなります。
だからだと言って、特に考慮する積極要素が存在する場合でも、必ず「在留特別許可」がされるというものではありません。
また特に考慮する消極要素が存在す場合でも、「在留特別許可」がされないというものでもありません。
在留をすべき明確な理由が必要になります。
単に在留を希望する理由があるというだけではなく、上記にあるような様々な事情が総合的に考慮されます。
家族関係は、在留特別許可をするかどうかの判断において、極めて重要な要素です。
特に、家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性は、積極要素として考慮されます。
在留特別許可をするかどうかの判断において、素行が善良であること、すなわち法令を遵守し、社会的に非難されることのない生活を送ることは当然の前提であるため、積極要素とはなりません。
しかし、地域社会に関係性が築かれており、地域と密接なつながりがある場合は積極要素として考慮されます。
一方、過去に「退去強制」や「出国命令」などの手続きが取られたことがある場合や、就労していたにもかかわらず、適正に納税義務を果たしていないこと、現に生活する地域のルールを守らない、迷惑行為を繰り返すなどしている場合は消極要素に考慮されます。
外国人が適法に入国したことは当然の前提です。
適法に入国したことは、積極要素とはなりません。
しかし、本邦に入国することとなった経緯に人道上の配慮の必要性等が認められる場合には、その程度に応じて積極要素として考慮されます。
一方、外国人が、船舶による密航、偽造旅券等を使用、在留資格を偽装するなどして不正に入国したことは消極要素として考慮されます。
正規の在留資格にて活動を行っていた場合、在留期間が長期であることなどは、積極要素として考慮されます。
一方、外国人が長期間、オーバーステイや不法入国して在留を続けている場合には、在留管理秩序を侵害する程度が大きいといえ、消極要素として考慮されます。
退去強制事由に該当した場合は、反社会性の程度に応じて消極要素として考慮されます。
人道上の配慮の必要性は、その程度に応じて積極要素として考慮されます。
具体的には、次の要素が考慮されます。
在留特別許可の許否の判断においては、諸般の事情を総合的に考慮するものであり、考慮される事情は、上記に挙げたものに限られません。